猫は苦手だがレオノール・フィニ-は好きだ。
レオノール・フィニーは昔から気になっていた。
シュルレアリズムの流れのように見えるが、どこか違うかんじもある。
鮮やかな色彩を用いているが、冷え冷えとした色合いとなっている。
猫の影が作品のそこここに見られる。
何か背中の手が届かないところを、一筋爪を立てられているような、
歯痒い、かすかに苛立つような思いを、観賞後残す作品。
それが私にとってのフィニーだ。
今日、東急文化村美術館でレオノール・フィニー展を見た。人影はまばらで観賞するに
ちょうどよかった。思った以上に作品が多く、見ごたえがあった。
ブエノスアイレスに生まれたイタリア人。生い立ちは暗い。その影は一生を通してずっと
フィニーに付きまとっている。
あのアンドレ・ブルトンを怒らせたというからには、相当の女性だろう。
30代半ば、伴侶となるイタリアとポーランドの二人の男性と出会い、
終生契りを結んだという情報が提示されていた。
興味深い。
コルシカの廃寺となった修道院に住んで 仮面舞踏会を、彼女自身がよく主催したともある。
私がフィニ-を知ったのも、そのシュルな仮面だった。猫もしくは猫科の表象だ。
その元修道院には沢山の猫がいたという。
今日の観覧で一番の発見は、半抽象の作品だった。深い色彩の塊は美しかった。
見返って、戻ったほどだ。頽廃の香りのするレオノール・フィニー。
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