大晦日 大つごもり
2013年、65歳の年も今日で終わり。東京目黒には冬のやわらかい光が降り注いでいる。昨日から今朝にかけて大急ぎで年賀状120枚を書き上げ、近所の郵便局に行った。元旦には間に合わないが、2日か3日には届くと思う。ここ数年、正月に入ってから賀状をやおら書くという「怠惰」なすすみゆきであったのだが、今年は久しぶりにリキを入れて賀状書きを行った。
というのは、終の住処と考えていた大磯を離れ都心に本拠地を置く決意を固めたのだ。そのことを知人友人に知らせようと思って、賀状に新住所を書き込み配ることにした。
昨夜、映画「タカダワタル的」を見ていささか心が揺れた。同世代なのにまったく人生に対して悟りきっていることに驚くより呆れた。どうして60そこそこでこんなに達観できるのだろうと不思議に思う。だが高田の短い人生を今になって知ると、彼は早々と人生の急所を掴むことになったのかもしれない。このところ団塊の世代の訃音を聴くことが多い。今朝も大滝詠一が死去したことをネットニュースが報じている。
死を悲しいとばかりに考えることでもない。敬愛するこの人の「孤独死」はけっして悲しむべきことでないと思う。桜井センリさんだ。クレイジーキャッツのメンバーで、先年植木等のドキュメンタリーで一度だけ音楽録音でお会いしただけだが、その知性にあふれた人柄には魅了された。少し耳が遠くなったということで、公職から退かれて一人暮らしをしているとうかがったが、謙虚な応接と誇り高い人柄は深く心に残った。
ニュースの見出しは「孤独死」とあって、いかにも哀れのような表現だが、そんなことはない。83歳の最後まで一人で毅然と生きて最後も誰かに「介護」されるような不自由な境涯を脱して、生き抜かれたのだ。その死を名誉あるものと讃えたい。
「くんれん」という面白い番組を見た。新幹線の緊急訓練の様子を中継スタイルで描いた情報バラエティだ。久しぶりに新しいスタイルの可能性を秘めた番組だと少し興奮した。番組の最後のスタッフロールを見ると、広島時代の教え子の名前が統括として出ていた。顔がほころんでくる。
ここ数年、新機軸を求めて試作を繰り返してきた彼の努力は、この番組ですこし報われてきたような気がする。そろそろ彼の時代が来てもいいはずだ。その彼とは、津田投手のドキュメント「もう一度投げたかった」をともに作った。戦友である。
その「もう一度投げたかった」が本日ローカルで久しぶりに放送されたと聞いた。当事者である彼や私には何の連絡もないのだが、広島地方だけで再放送されたらしい。その理由を聞いて笑った。
これまで広島地域で流れた番組のなかでもっとも人気の高かったものは何かとアンケートをとったところ、この作品が見事1位に選ばれたから年末の特別放送として再放送されたというのだ。そいつあ嬉しいことだと喜ぶが、一方制作担当者への連絡を怠らないようにしてほしいという不満もちょっぴり残った。作品は制作者にとって「我が子」のように可愛く大切なものなのだから。
2013年の日本は「快晴」というわけにはいかないが、日本経済もそこそこ「晴れ」の気配になってきたかと楽観していたら、年末に来て国際的に懸念されるような事態が出来した。加えて31日の朝も震度5の地震が北関東を襲っている。来る2014年も予断を許さない厳しい試練が待っているのだろうか。
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