こんな話が浮かんだ。
ある男がいた。嘘ばかりついていた。あるとき、ついた嘘のことでムラの集まりに呼びつけられつるし上げをくった。絶体絶命、男はカミサンに祈った。
すると、カミサンが脳中に現れこう言った。「おまえの祈りは聞き届けよう。ただし、百万遍
嘘をついたら針千本じゃ」
お安いこと、いくらついても百万にはならぬはず。男は約束すると、窮地から救いだされた。
男は毎日毎日嘘をついた。1日10回、1ヶ月で300回、1年で3650回。10年経ってもまだ36500回だった。
男はムラオサになり、老人になった。相変わらず嘘ばかりついていた。
セージ家として声望を集めるようになった。ポピュが喜ぶようなことばかり言った。だが実行しない。嘘に嘘を重ねた。それでも百万遍まではるか遠くにいた。
あるとき、道を歩いていると、お地蔵さんが4つ並んでいた。そのため道が狭い。
男の虫の居所が悪く、4地蔵にあたりちらした。「なんじゃ、こんな細いみちに地蔵が4つも。ええい、こんなもの叩き壊して広道にしてやる」罰当たりなことと知って、男はお地蔵さんに悪態をついた。むろん、それは嘘に決まっている。
すると4体のお地蔵さんは合体、たちまちカミサン出現。「おまえは百万遍嘘をついた」
「滅相もない、まだ私は50万にも足りないぐらい」男は悠然と答えた。
カミサンが祠の後ろを指して、見ろと男を招いた。
祠の裏に回って、男はびっくり。そこには墨くろぐろと「百万遍」
――なんてことを、京都の町を歩きながら夢想した。今、京都に来ているのだ。
百万遍は、大学そばの大きな交差点。今日も暑い一日になりそうだ。
この話の「おち」をどうつけるか、週末考えるとするか。
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