初期のドキュメンタリー
『もういちどつくりたい~テレビドキュメンタリスト・木村栄文』を速読した。
コメント直しの合間の2時間で読み通したのだ。だから、精確に内容を把握したとはいえないかもしれない。が、筆者、渡辺考が他局のディレクターである木村をどれほど敬愛していたか、その情熱だけはすぐ読み取れた。
木村は、九州のRKB毎日の看板ディレクター。渡辺は現在はNHK東京で腕を振るっているが、その昔、木村と同じ町博多の、NHK福岡で番組を作るディレクターだった。だから二人の関係は垂直でなくタスキがけといえる。
木村の経歴は華々しい。地方にあってテレビドキュメンタリーを作りながら、芸術祭大賞を2回、優秀賞を4回も獲得している。いわゆる放送に関する授賞で二桁の数ほど受賞している。本書でも、木村を「賞取り男」と呼んで親しまれたことに言及している。
と、昨日はここまで書いていたが、緊急の電話が入ってブログ作成が中断してしまった。一応、作成した文章はキープしておいたが、いざ再開となると、考えや気持ちが最初のものとうまく接続しない。
昨夜の熱帯夜は異常だったので、熱中症忌避のために「社会派エンタメ」小説を読んで気をまぎらした。かつてNHKの仲間として名作プロジェクトXを作ったとして名高い今井彰の小説第二弾だ。新潮社から出された其の本のタイトルは、「赤い追跡者」。薬害エイズの問題をとりあつかっている。なるほど彼らしい。今井は、NHKスペシャル「埋もれたエイズ報告」という名作を作って、ディレクターとしての名前を上げたことがある。その体験をベースにしたフィクションだが、各細部はほぼ実体験を記しているのではないか。この小説の主人公西悟の設定が巨大放送局全日本テレビのやり手のディレクターで、かつて「ダーデン少佐の証言」でいくつも受賞した経歴をもつとある。実際、今井は湾岸戦争のとき、「タイス少佐の証言」のドキュメントで盛名を得たのである。ほぼ今井と重なる主人公が薬害エイズに挑むという仕掛けの小説。彼がどんな手法で、スクープをものにしていったかがたどれるかもしれない。前から、興味のあった番組制作の「手法論」がこの小説に展開されているかもしれない。そういう関心で読み始めた。
ブログの最初に話題にした、木村栄文の愚直でまっしぐらの番組作りとは真反対の華麗でコンプライアンス”無視”の取材法が次々に展開していく(らしい)。13章のうちまだ3章しか読まずに、この文章を書き始めたのだ。昨夜は酒を飲んでいたので、12時過ぎには大きな睡魔に襲われた。
そして、午前7時50分となり、この文章も中断となる。
「あまちゃん」を見るためだ。
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