ある決断
とにかく忙しい時期をむかえている。ピークは7月だが、その序盤が先週あたりから始まった。本日は2つのイベントがはいっている。一つはレギュラーの「課外授業」の最終試写、もう一つは夏の特番「世界の叡智6人」の吹き替え録音だ。特番は60分サイズが2本あって、登場するのはノーベル賞級の高名な科学者たち6人。みなアメリカ人で、その発言を日本語で吹き替えることにしている。その作業が昨日から始まった。一人の科学者を吹き替えるのにおよそ2時間かかる。なかなかホネの折れる仕事だ。本日はゴゴイチから開始。
もう一つの「課外授業」は午前10時から制作会社の編集室で行なわれるのだが、3回目の最終試写。これが苦戦している。まだ番組の「芯」が見えてこない。今日の試写会でそれが達成できていないと重大な判断を迫られる。前回の試写を終えたあと、ディレクターに厳しい意見を伝えたつもりだが理解しているだろうか。
とあれこれ走り回っているさなか、外国へ出張している友人から連絡が入った。母上が重篤な病になったのでその対応で一時帰国を果たしたのだとのこと。
87歳の御母堂に胃癌が見つかったそうだが、年齢からみても開腹手術をすることは好ましくないと判断したこと。ご本人がそう望まれたことなどを友人は淡々と語った。
ーー私もそうすべきであったと、後悔の念が2年前の母の死についてこみ上げてきた。83歳の母に抗ガン剤治療など施さなくてもよかったのにという悔いが苦い味でこみあげる。
その決断はなかなかいいと思うよと、友人の潔さに感服。
多忙のなかにあって見失っていたが、人生の終末期は正しい選択こそ肝要で、仕事の成否は二の次だったはず。もう一度、今歩いている道を見直さなければなるまい。
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