
春休みの午後のような
トキワ荘の研究会に呼ばれて、今度の土曜日に「トキワ荘と団塊世代そしてメディア」というような題名で話をすることになっている。2007年から9年にかけてマンガカルチャーに関する番組を5本ほど作ったということで、お声がかかったようだ。そこで当時の制作ノートを引っ張り出してアレコレとお話の要素を抽出しているのだが、一方で新しい知見も手に入れておこうと藤子不二雄F氏の完全保存版を書館で見つけて精読している。
最初に氏の作品と出会ったのは、創刊間もない頃の少年サンデーの「海の王子」だった。今から考えると藤子漫画の骨頂であるSF作品だったことに気がつく。その後、高校、大学へと進むと、児童漫画のF氏のものは物足りなく感じるようになって読むことが減った。あの名作「ドラえもん」すらきちんと読んでいない。そこで保存版を読むと、実に琴線にふれる質の高い作品が多いかということを知った(あまりに遅過ぎるのだが)。
氏がSFを愛していたことは知っているが、青年漫画の作品は読んでいない。今回目にした「ミノタウロスの皿」はその作品の深さに驚いた。
なにより「。ドラえもん」の上等なペーソスには参った。のび太がドラえもんと別れる「さようならドラえもん」で、のび太が別れた後の寂しそうな場面は、心にしみた。
小学生のころ、学友が春休みに転校していったときの、あのさみしさを深深と思い出させる佳作だ。
こんなニワカ勉強を重ねて、今週の講演会に臨むのだからいい気なものだと、自分でも呆れる。
(今回の記事もアイパッドで書いた)
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング