目を逸らすな
北朝鮮のミサイルは日本海側の原発施設はとっくに射程のなかに納めている。そのなかでの米朝の駆け引きは当然他人事ではないはずだ。また尖閣諸島をめぐる記事のなかには局地戦であれ火花が散ることもあるかのような論調のものも最近では出現してきた。憲法改正の国会論議も見過ごせない水位まで上がって来た。禍々しい情報が身の回りに浮遊するようになった。
日々の多忙に追われて自分を見失いがちだが、ふと昨今の国際情勢に目をこらすとダモクレスの剣状態であることに気づいて身が引き締まる。
ついこの間までは最大の関心事は東北大震災の被害と復興だったのに、わずか二年ほどで国際情勢の緊張が眼前にせり上がって来た。この急激さ。かつて昭和史を学んだときに、昭和9年から12年にかけての急激な変化ということに想像がつかないと嘆いたことがあった。今の情勢はその時代と似ているのではないかと不安な予見を抱いてしまう。
福田和也氏の強い薦めで、堀川恵子著『死刑の基準』を読み始めた。前半は死刑囚永山則夫の半生が描かれている。連続射殺魔として怖れられた永山。1949年に生まれている。私の1年下で同世代であることを改めて知る。その彼が獄中にあって残した1万5千におよぶ書簡や著書から、死刑囚としての苦悩を浮き彫りにしていく堀川の真摯な行動と態度。本書の並々ならぬ迫力をわずか60ページで感得する。一挙に読み通したいが、来週放送のナレーション録音と大学の講義の準備もあって金曜日の夜まで一時中断とする。
明け方目が覚めた。東から徐々に赤く焼けて行く空を見ながら大きなため息をついてしまった。
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