借りぐらしのアリエッティ
数日来の疲れがとれない。ずどーんと体が落ち込んだままだ。黄金週間に入ったにもかかわらず、グロッキーな状態にあって何をする気にもなれない。ベッドに体を投げ出したまま日がな一日を送る。
のそのそ起き出してレンタルしてあった「借り暮らしのアリエッティ」を見ることにした。ジブリ作品は「こくりこ坂」以来見ていない。
古い別荘に寄生する小人の一家の物語。主人公のアリエッティから見れば庭先に咲く草花や紫蘇ですら大きな森となる。どこかで見た感覚だと考えたら、先週講義で試写した「私は虫である〜昆虫画家熊田千佳慕の小さな世界」に現われる状景だった。
たしかに小人になって見るこの世界という視点はいかにもアニメーションという幻想の世界にふさわしい。この設定だけで物語は半ば成功している。「魔女の宅急便」では浮遊する感覚という日常にはないものをアニメ映像化して成功したことと同じ功績だ。まち針がアリエッティには頼もしい剣となるような設定は、まさに幻想のもっとも得意な点ではある。
このアリエッティの一家が寄生する別荘に、病弱の男の子がやって来るところから始まる。ぜったいに人間に見られてはいけない小人族にとって、少年ショウに見破られたことは後から思えば苦難の始まりだった。小人が家のものを借り出して寄生することをこころよく思わない婆やから迫害を受けることになる。ショウとアリエッティの間にほのかな感情が交差する。
アリエッティ視点からすれば巨大化する背景の別荘の庭や屋内の調度品が実に魅力的だ。こういう想像を幼い頃病気になった寝床で見ていたことを思い出す。このアニメを見ているうちに数日来の疲れもすこしずつとれていった。
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