シニアの就職
60から65歳までのシニアが仕事をすることが多くなったと、ネットの記事が報じている。そんなこと当然じゃないかと65を過ぎて働く小生は軽く反発をしたくなる。そこで気になってシニアのリクナビを覗いてみると、信じられないほど職種が少ないことに驚いた。ボランティアとか介護の仕事しかない。かつて現役時代につちかったノウハウが生きるような仕事にはほとんど就くことが叶わない現実がある。
今多忙をきわめている小生などはある意味仕合せなのかもしれない。週に2コマの大学での講義、年間18本の新作番組、まさに休みなく疾走しないと倒れてしまう自転車操業だ。それでもやり続けているのは50代の繁忙期の記憶が体にしみついているからだろう。毎晩徹夜で明け暮れたあの時代を乗り切ったという「自信」が体の内側深くに潜んでいる。
といっても土曜日が来るとほっとすることも事実だ。今週もようやく乗り切ったという安堵感がこみあげる。こうして土、日とパジャマで終日過ごして月曜日の朝をむかえた。今週は編集の仕上げをむかえる作品がひとつ入っている。早速、明朝第1回試写があり、そのあと大学の講義が入っている。この準備を今日中にすましておく必要がある。
オイゲン・ヘリゲルの『弓と禅』を読んだ。味わいの深い書だった。
1924年というから大正の頃だ。ヘリゲルは東北帝国大学に招かれて哲学を教えるために日本へやって来た。昭和4年(1929年)まで講師を務める。この間日本文化を理解するため、彼は弓術を学ぶのだ。師は大射道教を創始した阿波研造。この弓の修行のなかで実に味わい深い叡智が次々に開示される。その深さについては言うまでもないが、聞き取り学んだヘリゲルの知性にも驚嘆する。
これについては一行や二行などで表すことなど出来ない。稿をあらためて書こう。
ただ、休日に読書に夢中になる自分を発見してすこし嬉しかったことを記しておきたかった。この喜びも仕事を続けているからこそ味わうことができるのだ。
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