週末は2本立て
毎週金曜日はツタヤ本店に寄ってDVD旧作をレンタルすることにしている。今週はレンタルビデオは見ない週末にした。
昨日は試写が思った以上に早く終わって時間が出来たので、目黒シネマ2本立てを見ることにしたのだ。クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」と「人生の特等席」。
イーストウッドの映画はたいていレベル以上のものだし、娯楽作としても楽しめるから、2本あっても大丈夫だろうと予想した。
それにしても2本立てで、シニア料金900円は安い。ポップコーン片手に目黒シネマの細長い客席のシートにとっぷり身をしずめ、6時から10時まで映画三昧。
「グラン・トリノ」はロードショーで見ていたのだが、あらためて寝ないで見たら、やはりよく出来た映画だった。イーストウッドの作品のなかで最高収益をあげたという作品。
タイトルはフォードの名車をさす。ポーランド系白人の主人公はトヨタなどの東洋の車より国産の車を愛するナショナリスト。その彼の住む家の隣にモン族の一家が引っ越してきたことからさまざまなトラブルに巻き込まれて行くという物語。主人公の男はリタイアし、妻をなくして目下一人暮らし。ろくに食事を作らずビールばかり飲んでいるという設定。なんだか自分の仮想の境涯のようで身につまされる。
公開当時も、この映画の壮絶なラストシーンが話題になったが、何度見ても心揺さぶる。監督イーストウッドの手腕に脱帽。それにしても、この映画の後半から鶴田浩二の「三代目襲名」を想起したのは私だけだろうか。
「人生の特等席」は引退寸前のスカウトマンの話。これまた劇画に出て来そうな物語。データ主義の現代野球に対して、長年の勘でルーキーの素質を見極める頑固な親父という設定はもう老人イーストウッドのおなじみのものになっている。だからお話の行く末がだいたい予想がつく。もったいなかったのは、無名のメキシコ青年の剛球投手の扱いだ。この点をもっと彫り込めば、きっと「フィールドオブドリームス」のような名作にもなっただろうに。
夜10時。生暖かい夜気。ぶらぶら歩いて居酒屋に入り込み、熱燗2合を飲みながら、映画の余韻に浸った。なんとなく正しい週末の過ごし方と納得。
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