山越え
休み明けでおっとりオフィスに出た。「課外授業・ようこそ先輩」の4月の広報原稿がほしいという催促。
あわてて林真理子さんの授業案を広報用に作り替えるなどを作業していたら、あっと言う間に夕方。
古川橋近くのふぐ屋さんで、私のお祝いの会を開いてくださるということで、5時過ぎ慌てて飛び出た。
お店は6時開店ということで、着いた5時半では早すぎる。そこで辺りをぶらぶらした。町名は港区白金3丁目。バス停でいえば四の橋だ。
夕方の三光坂下は下町のふぜい。梅の花があちこちの庭先でほころんでいる。
6時、Mさんと落ち合って店に入る。Mさんとはかれこれ15年ほどの付き合いになる。去年、映画カメラマンのご主人を失った。私と同世代。
遅れてKさんもやってくる。私と同年のKさんは相変わらず忙しそうだ。お二人が設けてくださった席で熱燗とくじらで祝杯をあげた。久しぶりの酒の席でしたたか飲んだ。この世代の話題、病気と葬式の話はいっさいなし。むしろこれから何をやるかというやる気の話一辺倒。もりもり力が湧く話に終始した。店を出ると9時半を回っていた。
四の橋から白金の丘越えで目黒を目指して歩いた。
夜10時。お屋敷町は人っ子ひとりおらず不気味。豪華なマンションのエントランスにだけ灯りがある。聖心女学院のくろぐろとした校舎を横に見ながら目黒通りまで急いで駆けた。
昔、奈良の王寺の団地に住んでいたことがある。王寺から私鉄で一駅の片岡台にまで行くのだが、終電がすぐになくなり、歩いて山越えすることがあった。昭和46年の王寺は奈良時代のままの漆黒の闇。山の頂きにぽつんとともる灯りが不気味で脇目もふらず駆け抜けたものだ。あのときの恐怖が白金の住宅街で甦る。
六本木の外れ四の橋から目黒駅まで歩いて25分。意外と近いことに驚いた。
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