最後の定期券
大磯―横浜、横浜―渋谷という2枚重ねの定期券。有効期限は2月28日までとなっている。サラリーマンとして使用してきたこの券も、これからは使うこともないだろう。カウントダウンして28日に向かっているが、最後の定期券だと思うとちょっと複雑だ。
昨日は面白い人と会った。サイエンスライターの吉成真由美さんだ。彼女が著したというNHK新書『知の逆転』が今売れている。アメリカを、いや20世紀を代表する科学者、ワトソンやチョムスキーにインタビューした記録で、科学と文明の行く末について吉成さんが聞いているのだ。いささか難しい内容にもかかわらず、6万5千部も発行したという。
この本の元になったインタビューを、吉成さんは映像で記録してある。というのは現在アメリカに住んでいる吉成さんは、20年前日本にいるときは私と同じNHKのディレクターだったのだ。青少年番組やNHK特集などを次々に作っていた。だから、著作する場合も映像をパラレルに撮影するという技能をもっているのだ。
知の巨人、ノーアム・チョムスキーやオリバー・サックスなどの映像が30時間分もあるので、それを使って特集番組が出来ないだろうかという相談が昨日行われ、その席に私も参加した。
在米20年の吉成さんはさすがに物怖じしない仕事の出来る女性。次々に自分の考えを披瀝して、意見を交換する。けっして独りよがりでないところが、日本でディレクターをやっていたときと大きく変化した点だろうか。今回は、ご主人の仕事の都合で2週間ほど来日しているという。
ところで、『知の逆転』のなかでワトソンが興味深いことを語ってる。彼の知見によれば癌はまもなく克服される段階まで研究が進んだというのだ。こういう達見をワトソンはいくつも述べているという映像を見たくなった。久しぶりに番組を作ってみようか。
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