不動心
週末は大磯の山の家で一人でいた。書きかけの論文の仕上げに専念したいと考えたのみならず、来し方を特にこの10年の歩みを振り返ってみたかった。ぼんやりと50代の半ばから65歳となった今年までのことを思い出してみたかったのだ。
昨夜は冷えた。山の家が寒かったのか、大気が冷え込んだのか分からないが、とにかく炬燵のなかに潜っても、肩や背中から冷気がじんじんと侵入してきた。高山で経験した寒さと似ていた。
夜中、厠に起きると、窓に月明かりがあった。見ると丸い月が寒風のなかぽっかり浮かんでいた。
些細なことで怯えていることを発見する。東日本大震災以来、地震襲来の恐怖は身近にある。ちょっとした揺れで心が乱れる。もしかしたらと悪い予感を抱いてしまうのだ。
プライベートなことでも悪い話や相談は受けたくない。
いきおい、メディア関係者とは疎遠になっている。
寿命の残余も少なくなり、仕事の一線から退いた今になれば、春の雲のような心境でありたい。早春の空にぽっかり浮かぶ片雲のような、そういう心境でありたい。
地震にうろたえ、領土問題でいらいらして、学問で自信喪失するようなこの状況を打破したい。それには不動心がいる。何者にも惑わされたり騙されたりするようなことがない不動の心。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング