定年再出発 |
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五黄の寅(ごうのとら)
明け方、母の夢を見た。久しぶりに母が出て来た。何も言わず笑っていた。 きっと、昨夜家人と娘が母の滑稽な話をして笑い転げるのを見ていたからにちがいない。 長崎で家人が身ごもったときのこと。子供が授かったことを品川の自分の母に電話で相談したところ、今年は五黄の寅(ごうのとら)だから女の子だったらよくないと暗に生むのを考え直すよう忠告されたそうだ。それを聞いて家人はショックを受け、敦賀の私の母のもとへ報告を兼ねて電話して相談した。 「お母さん、うちの母はこう言ったのです。女の子だったら虎はよくないって。まして五黄の寅(ごうのとら)は一番きつい。考え直したほうがいいって。どうしましょう」家人はべそを掻きながら一部始終を伝えた。 母は話を全部聞いてからこう言ったそうだ。 「そうですか、寅の女はきついのかいな。困ったなあ・・・」 家人は母の言っている意味が分からなかった。「何が困ったのですか?」 母はすまなそうに(これも後で考えると演技としか思えないのだが)こう言ったそうだ。 「あのなあ、私も寅やで。それもきつい五黄の寅(ごうのとら)の生まれなんや」 これを聞いてたまげたのが家人。「お母さん、すいませーん。私そんなつもりで言ったんじゃないです」 受話器にぺこぺこ頭を下げて謝りまくったそうだ。 この話を聞いて五黄の寅(ごうのとら)の娘は大笑い。いかにもおばあちゃんらしい話だと、目に涙をためて笑い転げている。 息子である私は、あの母の話がそんなに面白いかといぶかしく思い、しらけるばかり。 「あのおばあちゃんは、ユーモアのセンスがあったよね。やさしいけどキツイ一面もたしかに持っていたけど、基本的に面白い人だったわ」と娘。 家人もほっこりした顔で懐かしむ。「もう一回だけ、お母さんに会いたかったなあ」 娘も同調して「そうね、もう一度、私もおばあちゃんに会いたい・・・」 最後のフレーズだけが耳朶に残った。それで未明に母の夢を私は見た、というわけである。 部屋へ戻った私は、文机の上に頬杖をついて庭をぼんやり見ていた。もう一度母に会いたかったなあと独りごちた。すると・・・ 山のほうから飛んできた小鳥が庭の桃の木に留まった。るりびたきだ。緑色の主翼が美しい。朝日を浴びて輝いている。野生の小鳥をこんな近くで見たのは自宅では初めてだ。 鳥は魂とも言われる。ひょっとするとこのるりびたきは母の魂だろうか。そう思うと急にいとおしくなってガラス戸のなかからだけど声をかけたくなった。るりびたきにはガラス戸があるから聞こえないはず。警戒もしないだろう。私は2度3度声をかけた。反応はないが、長くその枝に留まっている。20秒、30秒・・・1分。普通じゃこんなに長く留まらないはず。小鳥は私の呼びかけに応えてか、依然桃の木に留まっていてくれている。 朝の美しい光が小さな庭に差し込んでいる。正月3日目の空も快晴。遠く、箱根駅伝の中継のヘリコプターのモーター音だけが聞こえている。午前10時半、駅伝はちょうど二宮から大磯へかけて通過するのだろう。 そして、午後1時半。 箱根駅伝が日体大の総合優勝で決まってから、茶の間をでて、また書斎にこもった。寒さもそれほどでなくいい正月だ。かすかに子供の声がする。と、その時。 またあのるりびたきが桃の木の枝にやって来た。朝のるりびたきにちがいない。 母の分身のるりびたきはまたしても恐るべき長い時間、桃の木の枝にとまっていた。時折尾羽をカタカタと上下するだけでいっこうに飛び立つ気配がない。たいていの野生の小鳥は臆病で、たとえガラス戸のなかであれ、こちらが行動すると気配を悟って逃亡するのが関の山だが、このるりびたきはいっこうに飛び立たない。私の動静を観察しているとすら思えてくる。 あの世に行った母が私の態度を見に、「授業参観」としてやって来たのだろうか。小学校の頃参観日に母が現れると照れくさいやら嬉しいやら不思議な感情が湧いたものだが、本日のるりびたきとの遭遇もそれに近い。 来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
by yamato-y
| 2013-01-04 00:01
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