ちょっとした喜び
昨夜は汐留のデンツーまで行って、知人と会い、来年から始める仕事の在りようや促進について相談した。
知人といっても息子ほど年が離れている。事実、知人を紹介したのは息子だから、年齢差は当然といえば当然。
――そして、相談事はうまくいった。私の迷っている番組群の編集方針の洗い直しにおおいに役立つことを彼は助言してくれた。そのとき面白い殺し文句を使った。「迷ったら、フロイトに戻れ」
フランスの大家、ジャック・ラカンの言葉だそうだ。ネオ・フロイト派の総帥でもあったラカンなら、さもこんな言葉を吐くだろうなあと感心しながら、この格言いただきと内心ほくそ笑んだ。
かつてはその知人は私と同じ映像制作仲間だったが、転職して、今や「コンサルタント」もこなす有能な広告マン。
『テレビ制作入門』という私の昔書いた新書を、その知人は高く評価してくれて、折にふれてテレビ映像の話のなかで言及してくれる。今もテレビとの関係は深く、業界の近代化や発展におおいに力を奮っている。
その彼が今執筆しているという。書店に出るのは来春らしい。どんな本なのと聞くと、『テレビ制作入門』の応答のようなものですという答え。
複雑な心境だ。小生のテレビ論を評価してくれるのは嬉しいとしても、応答するほどの中身があったっけといささか戸惑う。謙遜するわけでなく素直に疑念が浮かんだ。が、すぐ打ち消した。せっかく新しい世代がそういってくれるなら、余計なことを考えまい。説教節は口に出すまい。
知人が新しいテレビ映像論、文化論を打ち立ててくれるなら、こんな嬉しいことはない。
知人の顔ははつらつとしている。自信に溢れている。今の仕事はジャストミートしたのだろう。
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