幸せメシ
久しぶりに親子4人で外食をした。息子が銀座のラ・ベットラ・ビスに招待してくれたのだ。
9月生まれの家内の誕生日祝いと来年退職の私のお祝いを重ねて、落合シェフの人気レストランで晩餐を設けてくれたようだ。男の子はそういうことをはっきり言わないから分からないが、どうやらそういう気持ちがこもった食事会らしい。
親子4人全員がそろっての外食するのは10年ぶり。たしか息子が大学に入った年にみんなでニューヨークへ出かけたのだが、そのときにマンハッタンのフレンチレストランで食事をして以来だ。あの頃は娘もまだ中学生になったばかりだった。
なかなか予約がとれないので有名なラ・ベットラ・ビス。2ヶ月ほど前に息子がたまたま予約をとれたと言って、声をかけてくれた。今日の日を楽しみにしていた。
6時からのディナーに間に合わせるよう、10分前に銀座1丁目の店まで行くと、予約の客らしい人たちがもう20人ほど並んでいた。とにかく、人気の店で予約のいらないランチなどは朝10時から並ぶという評判だ。
人気店だからといって値段が法外なわけではない。アラカルトだが、前菜、パスタ、メインの組み合わせで3990円のディナーコース。大学生のカップルが来ても、ちょっと張り込むぐらいの値段でディナーを食べさせたいという落合シェフの心意気の価格設定になっているのが嬉しい。
お祝いの席ということで、スパークリングワインでまず乾杯した。空腹のせいもあって、ワインの冷たさが胃にしみる。
間をおかず、小イワシを混ぜ込んだ前菜のサラダが届く。うまい。食欲がむくむく湧いて来る。
パスタは蟹のソースを私は頼む。これが絶品。ここまでで腹9分。メインは鹿肉の赤ワイン煮を所望した。よく煮込まれた肉が口のなかで溶ける。会話も弾んで、楽しい食事となった。
順々に料理がいいタイミングで運ばれてくる。8名ほどのホールサービスの人たちのウゴキが実に軽やかできびきびしている。しかもサービスするときはニコヤかに客と応対する姿は実にスマート。洗練されたマナーに感心した。極上のレストランは単に料理が美味しいだけではない。
8時過ぎ。最後にコーヒーをいただくと、おなかが一杯になった。パンパンに張っていた。
胃の手術をして以来、これほどたくさんいただいたことはない。普段はほとんど外メシをいっしょにしない息子が招待してくれたお祝いのディナー。感謝して店を出ると、夏の終わりの銀座の柳が夜風に揺れていた。
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