仕事三昧
大事な8月15日も仕事で終われた。9月2日の番組「吉田隆子を知ってますか」の録音が終日続いた。
朝11時からメインの語り、午後4時半から主人公の日記の朗読の収録。
朗読はあの奈良岡朋子さんにお願いした。奈良岡さんといえば劇団民芸の大幹部にして大ベテラン。映画「釣りバカ日誌」では鈴木社長の賢婦人として名演技を見せてくれている名優でもある。
個人的には、向田邦子ドラマの朗読版「かわうそ」での名朗読がとても気にいっている。
その奈良岡さんがなぜ今回の番組に出演していただいたかというと、それなりの理由がある。
実は、主人公の吉田隆子さんに奈良岡さんは出会っているのだ。
隆子さんは戦時中結核になり寝たきりとなった。苦しい4年間の闘病を送っている。ところが、敗戦となって日本が民主化されていく時代になると、その病が少しずつ癒えていった。昭和22年になると、戦前の作曲活動の水準まで健康が恢復した。
隆子さんの伴侶である劇作家の久保栄は、後の劇団民芸の母体となる新協劇団の幹部として活躍しはじめていた。久保の代表作である「火山灰地」を民芸が公演することになる。その芝居に奈良岡さんは新人として出演していた。その縁もあって、奈良岡さんは民芸幹部の宇野重吉に連れられて久保の自由が丘の家を訪問している。そのとき、久保のパートナー吉田隆子の形影に奈良岡さんは触れた。その印象を番組のなかでも語っている。
そういう縁もあって、奈良岡さんにお願いした隆子さんの戦時中日記の朗読である。このパートは長くはないが番組の根幹を担う。
戦時下、吉田隆子が闘病しながら、音楽への情熱をかきたてるという、番組の肝の部分を奈良岡さんの朗読で表現しようと企図したことは大成功であった。実に自然にして説得力のある読みを奈良岡さんは見せてくれた。番組をご覧いただきたい。
このナレーション、朗読の録音に8月15日はすべて費やされた。終わって、帰宅してニュースを見ると、竹島とセンカクの問題が大きく取り上げられているのを知った。
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