あとのまつり
まもなくオリンピックが始まると、テレビのプログラムは大幅に変更することになる。本来入っていたトークやお笑い、ドキュメンタリーなどのレギュラー番組が時間をずらされたり消されたりしていく運命となる。
時には、思わぬかたちで復活することもある。
春に放送した「裸にしたい男・玉木宏」がとても評判がよかったので、作り直して放送したらという声があがった。当初の番組は43分の前後編に分かれた2本の組番組だったが、これを59分の短縮バージョン1本に編み直しの条件がついた。2本のまま編成するのはなかなか難しいのだ。それでももっとおおぜいの人たちに見てもらいたいと編集することに応じた。むろん、機械的にカットすれば作品になるわけでなく物語の筋を変えることなく割愛するものは割愛し、新しいナレーションのコメントも付加して、59分の番組が昨日仕上がった。短くなったぶん、とても見やすいものになったかもしれない。もし、そうであれば嬉しいのだが。
ちなみに放送日は。8月5日、23時30分から59分。BSプレミアム。「裸にしたい男・玉木宏」
この作業を終えたあと、赤坂の編集室で行われている、9月放送のETV特集「吉田隆子(仮)」の進捗状況を検分した。編集作業はまだ始まったばかりで、撮影したビデオテープ(ラッシュ)を見るだけで4,5日かかると、その量の多さに担当者はぼやいていた。
私はこのドキュメントに関しては一通りではないものがある。おそらく私にとって、最後のETV特集になるかもしれないからだ。教育テレビのドキュメンタリーの枠「ETV特集」は、私を鍛えてくれ、大江さんや河合隼雄さんたちと出会った大切な場であるから。丁寧に仕上げていきたい。
午後4時半。東銀座、松竹本社でKさんと打ち合わせ。歌舞伎取材のためのかなり突っ込んだ条件交渉。予想以上に厳しい。タフなネゴは結局不調に終わった。疲れがどっと出る。
気分転換したくて東西線に乗って、門前仲町まで行く。夕暮れの深川八幡、富岡八幡宮の森を散策。子供たちが公園の水道を悪戯して、水合戦に興じていた。飽かずに眺めていたら日が傾いたので、慌てて駅前の大衆酒場「魚三」に行く。
人気のこの店は1階も2階も空き席を待つ客の行列ができていた。10分ほど待って、2階の窓側に入れてもらった。熱燗、イカ刺、ぶりのカマを注文。酒はコップ酒でなみなみと注いでくれる。これを2杯キューっとやると酔いが回る。
7時半。千鳥足で魚三を出て、東西線、銀座線を乗り継いで澁谷。駅前のツタヤに入って、小林政広監督「フリック」と今村昌平作品をレンタルする。再び山手線に乗り込んで帰宅。
懐かしい友人から手紙が届いていた。幼馴染だが、長い間山陰で仕事をしていたということで音信が不通になっていたのが、ひょんなことで分かり、先日私は手紙を書いた。その返事が来た。
工学部を卒業したその人は、趣味はゴルフ。手紙の3分の一はゴルフの話。私にはなんのことか分からない数字がいくつか並んでいた。やはり、40年以上、違う世界を互いに生きたのだなと感慨。
9時ごろ、稲妻が光った。落雷の大きな音がして、はげしい雨が降ってきた。
夜10時からソングスで桑田佳祐が久しぶりに登場したので、20分ほど視聴。そのあと、小林作品「フリック後編」を最後まで見た。感想、つまらない。「春との旅」のような感動はまったくなかった。なんだか時間を無駄遣いした気になる。
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