体が重い
やっぱり休みなしで働くのは辛い。だんだん体が重くなってきた。
昨夜も8時過ぎまで、試写を繰り返した。終わって、興奮がさめないので、雨の中、スタッフといっしょに飲みに行った。
家に帰り着いたのが10時過ぎ。風呂を浴びて、簡単な食事をとったら11時になっていた。箸で新ジャガを突っついていても睡魔が襲う。背中から首筋に疲れがどばーっと溢れて来る。年齢には勝てない。
いっしょに仕事をしているディレクター二人は30代前半。編集ウーマンは40代、50代。私だけ60代だ。同じようにロケ車に乗って、同じように深夜まで編集をしていて、体がもつわけない。
救いは大きな異変がないこと。47歳のときに発症した脳内出血、61歳で手術をした胃癌、といった大きな障害が起きていない。毎朝6種類の薬を飲んで、9時55分からテレビ体操を行って、朝夕の瞑想を繰り返す。月に一度、大橋病院で胃と前立腺の検診を受ける。この習慣が半年続いている。疲れはたまっているが、健康を損ねてはいない。
平均寿命が伸びたとはいえ、60代で死ぬことも稀でない。今年に入って、2歳上の先輩、5歳上の作曲家が相次いで亡くなった。先日死去した安岡力也さんは私と同年。けっして死の影から離れることはないのだ。おさおさ油断するなよと自分に言い聞かせる。
今、編集している下町紀行の元になっているのは、俳人石田波郷の残した写真群。昭和30年代の江東5区の庶民のくらしを撮影したものだ。1000枚におよぶ写真は、懐かしい人々が写っている。この写真を撮りつづけた波郷さんは結核を患っていたとはいえ、56歳で夭折している。短い一生だったが、沁みるような句をいくつも残していた。
勿忘草わかものの墓標ばかりなり
昭和22年、波郷が故郷にもどったときに作った句だ。このみずみずしい感性を、私も失いたくない。
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