春の宵
予想以上に打ち合わせが進み、早い帰宅となった。
夕方にハイボールの缶を2本空けたせいか、睡魔がやってきて1時間ほど寝た。
7時前、目が覚めて、俳句の季寄せを読んでいる。季語というのもずいぶん変なものがあるものだ。「亀鳴く」というのは本当になくわけでなく、静まりかえってシーンとするときに何かが鳴いているような「気のせい」を表しているそうだ。ずいぶんとぼけた話だ。しかもそれは春の季に起こるとしている。
亀鳴くは聞こえて耳の遠き母
「鳥雲に」という春の季語がある。正確に言えば「鳥雲に入る」となる。渡り鳥が春になってシベリアに帰っていく。その鳥たちが大空の雲に入って消えていくというさまを表す。
採用の電話待ちおり鳥雲に
シューカツの採否でどきどきしていることと鳥雲にの組み合わせは絶妙ではないか。
渡り鳥の到来や帰国などは現代ではほとんど目にしないが、江戸や明治の頃は風物詩として暮らしのなかにあったのだろう。先年、ニューヨークで群れをなして飛ぶ雁を見たときは異国で故国を思い、不思議な感動があった。
春は動物が生殖に向かって動き出す。それをたくみに取り込んだ季語もある。蛇穴を出ずとか孕み鹿などはそういう季語。「猫の恋」がもっとも人口に膾炙している。
近松のをんなを嗤ふ恋の猫
日が暮れてますます冷えてきた。桜の頃は寒い。昔夜桜を見物していて風邪をひいたことがあった。
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