忙しいのは嫌ではないが
これはまあどうしたことか。番組のラッシュだ。大定年の1年前に仕事が洪水のように押し寄せてきた。とにかく年が明けてから、番組作りが切れ目なく続いている。おまけにポストプロダクションだけでなく、先日の下町紀行のようにロケ立ち会いまで声がかかる。時間がいくらあっても足りない。休日出勤が2月からずっと続いている。
昨年後半、企画がなかなか合格せず仕事薄で気分がもやもやしていた時期と比べると格段の差だ。
定年になって、仕事を離れたらどんなに退屈で辛いだろうと悩んでいたことが嘘のような多忙が連日続いている。救いはいっしょに番組を作る仲間が誠実な人ばかり。ロケをし編集をすることが楽しくて一生懸命という若い仲間が周りにいるということだ。
若くても怠け者で不誠実なやつはいくらもいる。1年間にたった1本しか番組を作らないやつ、ただ机の上でぼーっとあてもなくパソコンの画面を見ているやつはいる。仕事をしろよと声をかけても、ああだらこうだら言い訳をしてさぼっているやつはいる。そういう輩がまわりにいると士気は落ちるし精神衛生もよくない。
次々に新しい企画を映像化していくことは楽しいが、過ぎたるは及ばざるで、多忙もほどほどにしてくれないと身体が悲鳴をあげる。一日たっぷり走り回っているから、夜10時を過ぎると眠くなる。必ず朝6時には目が覚める。それから7時までに2回は小用に向かう。
年をとると目が早く覚めてと先輩たちから聞いてはいたが、こういう多忙のなかの目覚めもあるとは想像できなかった。
今制作中の「裸にしたい男」の語りは、とびきり若いアナウンサーを起用している。あらかじめ予定稿を渡しておこうと、昨日アナウンスルームに台本を持って行った。入り口で室長と出会う。「お久しぶり。先輩、まだ仕事をしているんですか」と57歳の室長から冷やかされる。若いアナウンサーに、「この先輩は私がばりばりの現役だった頃からやっている人だよ」とまるで天然記念物のように私を紹介する。どうやら64歳のプロデューサーというのは絶滅稀種のようだ。
という体験をすると、どんなに多忙でも仕事があることは嬉しいこと、仕事が出来ることは有り難いことと感謝の念も生まれる。
とはいっても、忙しい。今朝も今朝とて、朝食をとりながら構成表をながめて思案。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング