春遠からじ
午前6時。薄墨の雲に陽がさして、ぼんやり白く光っている。青い空がまばらに広がっている。穏やかな青空の青のなかに春が萌している。3月も半ばを過ぎた。まもなく4月。2011年度が終わり、12年度が始まろうとしている。
この冬は例年になく寒い日がいくつもあった。底冷えの夜はいくつあったか、あまりの寒さに大磯行も控えることが続いた。大磯の風呂場ではなかなか暖まらず、風呂に入ってかえって風邪をひくということもありえた。だから足が遠のくことにもなった。たまに帰った息子が水道の栓をひねっても水が出ないと、深夜電話をしてきたこともあった。10年以上大磯もみじ山に住んでいて、水道管が凍るというのは初めて。いかにこの冬が寒かったか。
昨日の朝とて、陽はさしているが風は冷たかった。駅までの5分の道が寒くてつらかった。
ようやく春になろうとしている。会社のそばの遊歩道の茂みに沈丁花の実が赤く熟れている。まもなく馥郁たる匂いが広がるにちがいない。梅が咲いて、辛夷の白い花も咲いて、やがて桜が来る。どうか大きな地震が到来しない、穏やかな春でいてほしい。
今朝は11時から赤坂で、ジャクソン・ポラックの2回目の試写。局プロデューサーが二人も立ち会うというから、早めに行って、担当の浅野くんとも打ち合わせておかねばならない。昼から、映画監督のアーサー・ビナード氏と会うことになっている。カナダ在住の氏が先週来日した。文楽の映像を近年撮りつづけている私に会わせたいと、森島さんが仲介の労をとってくれた。氏は10数年前に、近松の「冥途の飛脚」を映画で撮って話題になった監督だ。当時、まだ存命であった吉田玉男らが演じた至宝の作品と名高い。どんな人物だろう。気難しい人だったら嫌だな。スコセッシのような映画大好き人間だといいのだがと、今のうちから気おくれしている。
夕方には、モデルの押切もえさんとのロケ打ち合わせに立ち会う予定。いよいよロケは明日になった。5回のロケの最初である。番組の狙いや取材ポイントの確認など、最後の詰めには参加しておかなくてはならない。ゲストを配置するかどうかの課題はまだ解決していない。しっかりスタッフ、出演者たちと議論しておかないといけない。
明日のロケは9時赤坂出発。私は現地砂町に11時に合流する予定。石田波郷記念館から撮影を開始する予定。
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