湘南ホームライナー
渋谷から大磯へ帰るときは、いつも湘南ホームライナーを使う。
新宿を始発した電車は、渋谷で停車をした後は藤沢までノンストップだ。
座席は予約になっていて、運賃以外にライナー券500円がかかる。
でも、これにすれば必ず座っていけること、ノンストップで客の出入りが少ないこと、
などで、およそ1時間のプライベートタイムを確保できる。これを利用して
読書したり、このブログの原稿を書いたりするのだ。
周りを見渡すと、缶ビールやハイリキで一杯やっている人をよく見かける。
動く居酒屋でもある。
ライナーが始まった5、6年前は客も並んでいたが、今は乗車率60㌫といった
ところか。快適、快適。
この電車は、私の推測するところ、ニューヨークのロングアイランドライナーを
模したのではないだろうか。ペンシルバニア駅から出たライナーは、NY郊外の町をめざして
走る、ロマンスシートの二人掛けの「帰宅電車」だ。ここを舞台にした映画が
「恋に落ちて」だった。ロバート・デニーロとメリル・ストリープの切ない演技がよかった。
ロマンスシートがミソだった。
通勤列車を使った恋愛ドラマといえば、デビッド・リーン監督の「逢いびき」を
思い出す。これは白黒映画で、それがすごくお洒落に見えた。この映画の
道具は、跨線橋だった。
妄想をもてあそびながら、自分をとりもどすひと時、湘南をひた走る夜汽車の「小さな旅」―― 今の私の数少ない喜びの一つだ。
よかったらランキングをクリックして行ってください
人気blogランキング