説教を垂れた
久しぶりに、中堅社員に説教した。半年前に、私のプロデュースで美術番組を作って以来、これといった作品を手がけていない。毎日、資料読書。そのうちに、何か動き出すだろうと見ていたが、とうとう年を越した。田舎から帰ってきて、両親が心配していたと報告するから、当然だと叱った。番組制作を生業とする者が、番組を作らないということは職務怠慢でしかない。そんな奴はいらない。だって、そいつがいなくても会社に支障がないということは、いらないという証明じゃないか。33歳にもなって、そんなことも分からないのかと。
暢気坊主のそいつも、流石に慌てた。ドタバタとセンターのほうへ走って行った。どこへ行ったのだろう。思いついて、すぐに企画を採用してくれるほど、この世界はあまくない。
昔は、(広島の時代のことだ)よく説教を垂れた。取材が下手だから、編集が混乱しているから、コメントが幼稚だから叱るのでない。そんなことは、デスクやプロデューサーがいっしょに考えればいいのだ。自分の番組を愛していないこと、いい加減に作っているのを見ると、頭に来た。どっかーんと、雷を落としたものだ。
でも、こういう暑苦しい番組制作を嫌がる者もいたはずだ。当時は気がつかなかったが、今になって振り返ると、舌打ちしていた奴もいたかもしれない。そんなことにも気づかず、番組論を熱く語っていたあの頃が懐かしい。
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