今年初めての雪
那須高原を一望してその壮大さに心を奪われた。これほど雄大な景色が関東平野の北辺にあるとは思いもよらなかった。東北へ出向くときに前方下手に山脈が連なるのを見ているはずだが、これほど気高い山並みとは思いもよらなかった。
主峰になるのだろうか、正面に茶臼岳が灰黒色の噴煙をうっすらと上げていた。
硫黄単純温泉につかって太陽を見ながら寒気を味わった。湯煙越しにうっすらと雪が散る。
白濁したお湯を手でなでながら、身内の奥のほうから浮かび上がるぬくもりをゆっくり味わった。
遅ればせながら、今柴門ふみの『あすなろ白書』を読んでいて、第1部の3巻まで来た。
予備校で出会った5人の男女の物語。主人公は陸上ばかりで高校時代を明け暮れて、ぎりぎりで一般入試で1・5流の私大に入学した園田なるみ。彼女が恋する掛井保。なるみに恋する取手。つまり3角関係。ここまでよくある話として、このあとの二人がユニーク。掛井を好きな松岡(♂)、同じく掛井を好きな星香(♀)。松岡は良家の御曹司でハンサムで性格もいい、だが何か満たされないまま、同性である掛井に惹かれている。星香は関西弁まるだしの東大にストレートで入学した秀才であるが、幼い頃男子からいじめに遭って、“男嫌い”のふりをするようになっている。その彼女が惹かれたのが掛井。松岡は掛井への愛を告白することなく交通事故に遭って急死。残された4人の絡まりほどけていく関係。
目黒図書館のコミックの棚に3冊並んでいたからレンタルして読み始めた。たしか、これはテレビドラマにもなって、家人が夢中で見ていたような気がするが、その頃最繁忙期を迎えていた私はまったく関心がなかったから、この物語との出会いは20年遅れになっている。このコミックスが発行されているのは1992年だ。
掛井に対する松岡の感情なんて20年前には少しも理解できなかっただろうが、昨今のテレビで登場するオネエマンたちを見ているようになったら、不自然とは思わなくなっている。おそらくこの物語受容は20年経っているからできたのだと思う。
さて、1部を読み終わって、このあとをどうするか。思案している。出来れば、図書館に続編があればいいのだが、残念ながら目黒にはない。
漫画喫茶でも行って続きを読むのが一番いいと思うが、あの独特の空気が支配する空間は苦手だ。じめっとした穴倉のような空気。尻込みしたくなるが、読みたいという欲望のほうが強い。
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