ドーバーの白い崖②
谷内こうた
イギリスとフランスの間にあるドーバー海峡――古くから数々の歴史を刻んできた。
海峡のイギリス側の海岸線は海からすぐ崖になる。その崖は白亜の壁だ。
ドーバーの白い崖――白い壁がえんえんと続く。
その断崖に立つと、海風がさーっと吹き抜ける。少し恐いがさわやかな思いもある。
そこから見下ろすドーバーはあくまで蒼い・・・。
ある「絵本」を思い浮かべた。『のらいぬ』だ。
谷内こうたの絵本『のらいぬ』を、私は1977年に購入した。
場面はわずか11しかない短い話だが私のお気に入り(マイ フェボリット)の絵本だ。
夢の中のような世界が描かれている。白い灯台、青い海、永遠性。
この世界が現実にあると実感したのが、ドーバーの白い崖だった。
だが、この風景を実際に映像で表現しようと思うと、なかなか難しいのだ。
撮影したものを見ると落胆することが多い。
どうやら人は見るとき、目だけで見ているのではないらしい。
それを志向する触覚や聴覚や
「心」まで動員されているようだ。
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