マブダチ
シンガーソングライターの吉岡しげ美さんと出会って30年。付き合いはべったりということはないが、細く長く交流してきた。
最初の出会いは、戦争未亡人の清水鶴子さんのラジオドキュメンタリーを制作したとき、彼女に清水さんの短歌に曲をつけてもらい、同時に清水さんの人生をキャスターとして歩いてもらったことから始まる。当時70代後半の病気がちの清水さんをかばいながら、疎開した甲府盆地のはずれまで3人でとぼとぼ行った。なにせラジオだから予算が少ない。デンスケという録音機をかかえた私と清水さんと吉岡さんの3人がバスと電車を乗り継いで、戦争の傷を見つめて歩いたのだ。以来、いろいろな意味で、吉岡さんは私の戦友だ。いっしょに苦しい戦いを闘った仲間はマブダチだ。
1歳下の吉岡さんだが、ためぐち以上の口をきく。つまりナマイキだ。普段、いい人を演じているからだろう、私の前ではゾンザイで偉そうだ。むろん、私も負けては居ない。出会うと互いにけなしたり嘯いたりしている。
才能がある人だが、世の中より一歩早いところが最大の難点。今でこそ有名になった金子みすゞの詩を発見したのも30年も前だった。現代詩の女性詩人の詩に曲をつけて歌ったのも70年代だった。その中から生まれた、茨木のり子の「わたしがいちばんきれいだったとき」は名曲だ。こういう具合に、世の流れより先を行くから、あまり儲からない。そのくせ歩いてきた道を振り返れば、いい仕事を沢山やっているのだが。
たまには飲もうといいながらなかなか時間が合わない。昼過ぎ、久しぶりに電話して今夜決行しようということになった。練馬に住んでいる彼女を思って、目白駅集合にしたが、飲み会は8時半までにと時間指定。9時には文化放送でしゃべらなくてはならないという。何故だ、なんでそうなっていると聞くと、「今度のコンサートの宣伝も兼ねて、生番組に出るのだ。走れ歌謡曲という有難い番組に。あんたも、たまには協力してよ。メディアにいるんだから。チケットを売るのに必死なんだから」と相変わらず一言多い。
そこで、このささやかなブログで、今度のコンサートの宣伝をしておく。
11月26日(土) 午後2時開演 吉岡しげ美コンサート「明日へ・・・」
シンガーソングライター、吉岡しげ美
詩の朗読 吉行和子
コーラス 東北の北上から駆けつけた女声コーラス35人
場所:浜離宮ホール
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