悲しいキャンペーン
大磯の家に戻ると郵便受けに書類がいくつもたまっていた。中に「出版ダイジェスト」があった。数年前、ブックレビューを担当していたときに読むようになったのだが、その後とるのを止めていたはず。どうして届いたのかと怪訝に思いながら封を切った。
すると、タブロイド版の1面上に「長い間ありがとうございました 最終号」と書かれてある。最後ということで古い顧客にまで配ったのだなとあたりがついた。
10月27日から11月9日まで読書週間。今年のキャンペーンの標語は、「信じよう、本の力」。この言葉と最終号という活字が並んでいる。
巻頭のエセーはフリーライターの永江朗が執筆していて、題して「これからのメディアと出版」。出版の未来をうらなっているのだが、この30年の間に大きく変化した出版業界を鑑みれば、これからの予測はつけがたいが、おそらく少数を相手の本というものはなくなるものではないだろうと弱々しく語っている。
この最終号に取り上げられているダイジェストのなかで、気になった書籍をメモしておく。
勁草書房「アイデンティティと暴力 運命は幻想である」(アマルティア・セン)
徳間書店「100歳までボケない朝一番の簡単スープ」、
偕成社「ノンタンぶらんこのせて」ノンタンは今年で35年とある。
三省堂「おひとりさまの終活」たっぷり生きて旅立とうとキャッチがある。著者の中澤まゆみという人はどんな人物か。
東京大学出版会「阿蘭陀が通る」著者タイモン・スクリーチは10年前から注目している。
春陽堂書店「だから、鶴涁」反戦の川柳作家。治安維持法で獄死した石川県の人だ。
金の星社「ねえ ママ」(こやま峰子)ママは今日一度もゆりあを抱っこしていないことに気づくのでした、という惹句が気になる。
これらのメモをもって、東急本店7階のジュンク堂丸善の超大型店へ行ってこよう。
「出版ダイジェスト」の編集のみなさん、お疲れさまでした。
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