お墓を買った話
クリちゃんは1歳下。ブックレビューを担当している。毎回、新刊本が届くから、出版界の話を、ときどき聞きにいく。「今、どんな本が売れているの」とか「この著者はどんなヒト」とか、書籍にまつわるあれこれを聞く。と同時に四方山話に花が咲く。
本日は、「何か面白いことない」と御用聞きをしたら、「お墓を買いました」とのたまう。
どこにと聞くと、今住んでいる荻窪の真言宗のお寺に買ったという。値段は100万。場所は荻窪駅から数分の便利なところなのに、100万円とは安いのではないか。それを言うと、墓石の墓でなく、納骨堂のロッカー式の引き出し墓だという。納骨堂式は「遺骨を預け、保管してもらう施設」であり、お墓とは「遺体や遺骨を収蔵する施設」ということになる。東京では墓地不足の祈りから納骨堂をお墓の代わりにして永代納骨をする人も少なくない。クリちゃんもその永代をお願いしたという。
両親の眠っているのは小平の都立霊園だが、そこは兄貴に任せて、ぼくら夫婦はロッカー墓にしたんすよと、明るいクリちゃん。新聞の折込広告で見て、まず細君がその気になったようだ。これで老後というより霊後も安心。とくだらないジョーク。どこまでも明るいクリちゃん。
最近は海外旅行もひかえるようになり、車の買い替えもしなくなって、蓄えがなんとなくあったから、プジョーでも買うつもりでお墓を買ったと言い訳をする。だったら、黒いセダンでも買って、霊柩車兼用のマイカーにすれば、動くお墓になるのではないかと、私が混ぜ返す。
同世代と交わした話題は、まず血圧、糖尿病、前立腺と病気の話。次に私には関係のない孫の話。最後はお墓の話か葬式の話。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング