寝苦しい夜をぬけて
熱帯夜だった。幾度も暑さで目が覚めた。エアコンをついに明け方点けた。
7時、のそのそ起き出してパソコンの前に座って、一息いれている。それにしても暑い。今日も暑くなりそうだ。
世間は夏休み、お盆の帰省と騒いでいるが、当方にはいっこうにその余慶はない。まもなく本番をむかえる杉本文楽のリハーサルが昨日から始まり、10月放送のアートドキュメント「速水御舟」のリサーチが連日続いている。
いつもそうだ。真夏の盛りに休暇をろくにとったことがない。
昭和57年から4年間長崎で勤務した。8月9日の長崎原爆の日は必ず生中継があるから休むことなど考えられなかった。
平成5年から3年間広島で勤務した。このときも原爆関連番組を毎年かかえていたから休みをとるなんてことはありえなかった。
広島時代、子供らは小学生、中学生だったが、どこにも連れて行くことがなかった。
本日は、世田谷の大学へ取材に行く。炎の専門家に話を聞くためだ。それが終わったら、神奈川県民文化ホールへ出向いてリハーサル撮影に立ち会うことになりそうだ。熱中症に注意しなくては。
8月のジャーナリズムという言葉がある。普段はほとんど語らないのに、8月になると戦争だ、平和だ、原爆だと突然喧しくなるマスコミの態度を揶揄して使われる言葉だ。俳句でいえば季語のようなもので、慣例化した「儀式さ」という冷めた意見もある。だが、これがなければ日本は先の大戦で大きな犠牲を内外に強いたことを忘れてしまうことにならないか。否、そんな程度で喪失するような戦争体験、記憶などは何をしてもすぐ風化する、などという意見も聞こえてくる。しかし、戦争が終わって66年という月日は長い。よくその記憶を持続させてきたものだ。当然、途中で変わっていった記憶もあったはず。まだ世に現れていない記憶もあるかもしれない。
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