満ち潮、引き潮
朝ドラ「おひさま」はヒロインが第1子を産む場面に入っている。今週は陣痛が始まったところで終わった。どうやら来週のはじめに誕生のシーンとなるようだ。赤ん坊は午前中にでも生まれるのだろう。
河野多恵子の最新作『逆時(さかごと)』。人は汐の満ちたときに生まれ、引き潮のときに死んでいくとある。志賀直哉の短編『母の死と新しい母』にもそういう記述があるらしい。
先日、瞑想教室の指導者から生まれた時刻を聞かれた。それが分かると、私のいろいろなことが見えてくるというのだ。一瞬怯んだが、時刻までは知らないと答えた。そんな基本的は出生の事実すら知らないということに軽いショックを覚えた。23年1月19日の早朝だろうか、お昼時であろうか、それとも昼下がりか。残念なことに、生前の母に尋ねたことがなかったし、母もきちんと教えてくれなかった。
その日の干潮満潮の時刻はどうなっていたのだろうか。一度、古い新聞で確かめてみようかな。さきほどの人の誕生は汐の干満で起こるということの反対、つまり逆事になるとろくなことがないと考えられるそうだ。もし、私も引き潮の逆事だったら嫌だなあ。
誕生はともかく、死んでいくときは順事になるだろうか。まさか満潮に死ぬなんて人と反対なことにならないだろうなと、運命の神様に問いかけてみたり。母が死んだのは明け方だった。12月の厳しい寒気が取り巻く朝、息が切れたことをはっきり覚えている。16年前に死んだ父はどうなっていたか。もはや記憶が薄れている。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング