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西行の山越え

中山越え

 出家というのは文字通り家を出て仏門に入ることだが、そのときに家族と葛藤が起こるぐらいのことは想像がつく。現代なら仕事を放りだしてホームレスにでもなって毎日を送りたいなあと願望するようなもので、ラジカルにすべてを振り捨てていくことにリスペクトを覚えるが、私にはできない。家族の総スカンを食らうにきまっている。

西行という人の話は物語化されていることが多いので、どこまで本当か知らないが、彼の出家はまことにすさまじいものであったようだ。絵巻によれば、発心した武士佐野義清はすがってくる可愛い4歳の娘を蹴落として煩悩の絆を断ち切ったと描かれてある。縁側で仰向けにひっくりかえる少女を後ろに義清が去っていくさまはすさまじい。

還暦を迎える少し前から芭蕉を読み始めてきたが、その芭蕉が心の師とした西行のことが気になりはじめてきて、最近「山家集」や「西行物語」などをちょくちょく読む。

出家した西行が30歳のころに修行のため奥州をめざして長い旅に出た。その途中で、静岡県にある佐夜の中山という峠を越えた。それから40年、69歳のときに同じ峠を越えていくとき西行は歌を詠んでいる。
 年たけてまた越ゆべしと思ひきや 命なりけりさやの中山
 69歳で東海道を歩きとおして、中山峠を越えたときに西行はつくづくよく生きてこられたものだと感慨があったのだろう。63歳の私ですら、先日の鞍馬道を歩いただけで未だに肩が凝り腰が張って首が回らぬ状態が続いている。いわんや、70近い年齢で遠路を歩きとおすことができた西行は、十分命に感謝したにちがいない。

この感慨を芭蕉も深甚にうけとめた。
命なりわづかの笠の下涼み
芭蕉32歳のとき、同じ中山峠を越えて故郷へ帰ったときに作った句で、季節は夏だ。うだるような暑い日、峠には遮るものはない。わずかにかぶった笠の影だけが涼しい。こう感じることも生きているおかげ。芭蕉はそう詠んで、西行に思いを馳せた。芭蕉の「読み」の深さに驚く。

芭蕉にはこの中山越えの西行の出来事はいつも心にあったらしい。後年、奥の細道の旅で、敦賀近傍の木の芽峠でも同様の感慨をもらしている。
中山や越路も月はまた命
これは秋の句となる。名月の頃であろう。木の芽峠で見る月もまた命を感じさせてくれるものだとツィートしている。

月の歌では、西行も素晴らしい。

山ふかみ真木の葉分くる月影ははげしきもののすごきなりけり

深山の真木の葉っぱから洩れてくる月光はどれほどすごいものか。うっとりとする。エクスタシーの和歌だ。ものの本によれば、この凄しという言葉は、背筋に戦慄が走る感じ、一瞬息をのむとある。それほどの感動を西行はこの光景で感じたのだ。余談だが、大江さんがノーベル賞を受賞する頃によく色紙に書いていたのが、この西行の歌だった。西行と大江という取り合わせが不思議で、この和歌の意味を知ろうと研究したが、すさまじの言葉のほかに気づくものはなかった。この光景の美しさを表す言葉の響きを大江さんは愛したのだと思う。

さきの中山越えをしてから4年後に西行は入滅する。死ぬ日はできれば花の咲く頃と念じたとおり、きさらぎの望月の頃に西行は死んだ。73歳。芭蕉は51歳で永眠している。
今、私はそのちょうど中ほどにいる。
西行と芭蕉のなかの命かな(無季)

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by yamato-y | 2011-06-29 09:48 | Comments(0)
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