託す言葉
昨夜の帰宅は午前2時。さすがに疲れた。
第2定年をむかえた私の区切りとして、昨夜の7時から会社の生え抜き社員たちに1時間話をした。題して「託す言葉」。この10年間、いっしょに仕事をしてきた若い仲間たちに番組をめぐるあれこれを話したのだ。項目は以下だ。
・これからの主題は大きく変化するだろう→魂のほうへ
・2項対立、2分法では編集できない状況がある
・学問上の成果が、今の番組には反映されていない。例:万葉集
・反復という問題系、問題設定。
例:核(兵器と原発)をめぐる言説、その変化。→大江健三郎番組の反復
〈番外〉として。
・手法の確認:仮説の検証→テレビドキュメンタリーの基本形。
・番組史のなかの3つの事件
・制作者の倫理の問題
今、番組制作者としての私が気になっている点をおよそ20名のディレクター、プロデューサーたちに話をしたのだ。一番言いたかったのは第1項目で、これからテレビドキュメントが取り上げていかねばならない主題は魂ということ。むろん、哲学的、文学的な正確さは脇に置いての、業務上の話としての魂論議である。今回の大災害は大きな傷を日本人に残したと思う。いや、まだ傷は癒えて終わってはいない。今も「血」が流れているといえるかもしれない。その傷をどう受け止め、どう表現するかが、今後の大きな課題になるということを若い制作者たちに伝えたかった。託したいと言ったほうが正確かもしれない。
会は1時間ほど私が話しをして、その後質問や意見を聞く時間を30分ほどもった。
その後、打ち上げということで、近くの飲み屋に再集合して、祝杯を上げた。その2次会が終わったのが11時過ぎ。そのあとの3次会まで付き合った。
昔はまったく平気だったはずだが、午前1時を過ぎるとうつらうつらとなる。若手たちは依然口角泡を飛ばして議論している。若いということはすごいものだと感心する。
小雨交じりの東急本店前の交差点で、車を拾って帰った。疲れたが面白かった。
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