4月の俳句( 4月17日の句会)
久しぶりに句会に出席した。新しいメンバーが加わり、めじろ遊俳倶楽部は盛況だ。
いくつかの気になった言葉や句をメモしておこう。
当季雑詠の部門で心に残ったのは。
リラ冷えやノーアイロンのシャツの襟
片仮名が小気味のいい音を刻んでいることに感心した。作者のなをさんは句歴のながい人で、けっして無選句などは作らない。次の句もなをさんだ。
雪解光夢につづきがあるやうに
措辞がモダンだ。雪解光なんて季語があることを知った。
微熱もて遠足の朝明けにけり
父も母もまだ若く、小学生だった私は遠足の前の晩は興奮してなかなか眠ることができなかった。朝、微熱をいだいたような気分で朝ご飯を食べていたことを思い出す。作者の葱男さんは私と同世代で、博多の出身だ。
予報アリ晴ノチ一時蝌蚪(カト)ノ雨
蝌蚪とはおたまじゃくしのこと。数年前に突然オタマジャクシが空から降ってきた事件があった。原因は不明であったが話題になったことがあると、宗匠はこの句の面白さを評価した。最初は理解できず私は無選としたが、解説を聞き、今読み返してみるとなかなかの句だと思う。片仮名表記がいかにも天気予報の言葉らしくいい。
今回の兼題は、七曜(もしくは各曜日)、象、外国地名であった。
七曜で心に残ったのは。やはりなをさんの句で、「デイサービス」と前書きのある作品
月・木の母の出勤小米花
読みは、「ゲツモクノ ハハノシュッキン コゴメバナ」小米花は雪柳の別名だとか。介護を受ける母が「出勤」するというユーモアがおかしくて悲しい。
象では私の句をとってくれた人もいたが、下五の「春天守」は頂けないと注意される。天守の春とかに工夫すべしということ。
安土にも象は踏み入り春天守
織田信長の居城に南蛮人が象を連れてやってきた光景を句にしてみたのだ。
外国地名の句では風悟さんの句が高い評価を得た。
ゴミ出しの金曜の帰途ゴルゴダへ
これは七曜と外国地名の2つが入っている。ゴミ出しの帰りにゴルゴダの丘に立ち寄ったという奇想天外ぶり。風悟さんは仏文の先生と聞くが、ときどき風変わりな句を提出する御仁だ。
九州在住の五六二三(ゴロニャンサン)さんの句の評判もよかった。
種を選るブルノの若き修道士
ブルノは中欧の都市。いかにもらしい風景だと、一座の賛同を得た。
俳句に呼びかけはいらない。そもそも呼びかけなのだから。すべてを言い切っては駄目だ.6割は隠せと宗匠の教えであった。
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