かえるくん、地球を救う
本日のアサイチで放射線の質問に答えてというテーマを取り扱っていた。不安が広がっているからだろう。
3・11で福島第1原発の4基がダメージを受けたと聞いたときから、いくつかの影響が想定された。5キロ避難が指示されたとき、そういう範囲ではすまないだろうと推定されたが、その後10キロ、20キロ、30キロと徐々に広がった。この小出しの警告が不安を与えたのであろう。当然、大気への拡散はもっと広いだろうし、薄まっていくだろうしと予想された。
ここへきて、たまり水の放射線の高濃度が懸念を呼んでいるが、これとて冷却のために外部からの大量放水をすれば、想像のつくことだ。今、ようやくトレンチの水を心配するステージまで来たのだ。問題は、これを外部に洩らさずに回収できるか、だ。現場では必死の解決策を探っているはずだ。リスクをどこまで分散させるか。
どうも海外で報じられる日本被災情報は生々しく強烈のようだ。現場の惨状をむき出しで報道しているから、各国から見れば終末論的状況に見えるのだろう。故国へ帰っていく在日外国人が増えたのもそういう影響だ。だが、今日本で起きている危機ははたして日本独自かというと、そうとはいえない。原発をかかえている西欧はどこでも、(人為ミスによって)発生する危険性はある。成長著しい中国などは、増大するエネルギーをかなり原発でしのいでいるのではないか。そこで事故などは起きていないと断言できるか。不確定なことが多すぎる今、ここにある危機は地球規模だということを知るべき。どこへも逃げられない。
村上春樹の「かえるくん、東京を救う」は3・11以後の今読むと、とても寓話として読めない。そこに書かれたことは実に生々しい。
阪神淡路大震災の2ヶ月後に新宿直下の地震が発生するという託宣をもったかえるくん。彼が風采のあがらない信用金庫の職員片桐くんの前に現れ、その地震を阻止するために、元凶のみみずくんと闘う物語。決死の覚悟のかえるくんは、びびる片桐くんに素晴らしい言葉を贈る。それを、自戒をこめて書き残しておく。
●ニーチェが言っているように、最高の善なる悟性とは、恐怖をもたぬことです。
●ジョセフ・コンラッドが書いているように、真の恐怖とは人間が自らの想像力に対して抱く恐怖です。
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