3.11
昔からの友達4人と、昨夜新宿で飲んだ。
歌舞伎町の「三日月」という居酒屋だが、店には中年の客で満杯だった。
いずれのグループもみな東北関東大震災の話題ばかり。毎日、緊張が続くから気分転換に飲みに来たのだと開き直っている人もいた。そのなかに、朝のワイドショーで見かける、某新聞社の花形記者がいて、他の客の質問に得意げに答えていた。「あの玉音放送は、貴重なもので、これまで2回しかない。一つは終戦のときであり、もう一つは今回だ・・・」どうやら、先日放送された天皇の災害に寄せての言葉のことらしい。記者は意気盛んに解説していた。今朝、家人から聞いたが、被災者のために宮内庁病院を開放したとか。町の郵便局へ行ったら、災害義捐金の窓口に列が出来ていた。いつもの災害後の風景と今回はすこし違う。
私といっしょに飲んだ仲間の一人は、元A新聞の経済記者だった人だが、彼は今回のことを3・11と呼んでいた。2000年の9・11と同じくらいの衝撃だからだという。いかに、現在の日本が危機管理できていないかということに熱弁をふるい、都知事選挙の想定される最悪の結果を予言していた。
テーブルにはオールグリーンと呼ぶアスパラ、ピーマン、の炒め物とカキフライが乗り、私は熱燗を飲んだ。薄味の酒でなかなか酔わない。震災論議の話に酔った。紅灯の巷はわりと賑わっている。三日月を出て、風林会館の前の交差点で客引きがしつこく誘う。友人は「諸行無常」と一喝。言われたお兄さんはきょとんとしている。渋谷より新宿のほうが華やいでいる気がした。
河岸を変えてゴールデン街とんぼへ。店はそれなりにいっぱいだった。カンパリソーダを飲む。8時半過ぎに店を出た。山手線に乗るため新宿駅に向かう。靖国通りには中国人観光客のナイトツアーバスがふだんなら並んでいるのだが見当たらない。ホームレスの姿も少ない。というか、地下道に寝ている人は一人しかいなかった。地下街にいくつも暗がりがある。どうやら節電対策らしい。
紀伊国屋には相変わらずおおぜいの人が本を漁り、立ち読みしている。新刊書にはまだ災害関連が並んでいない。版元は今頃大忙しで作っているのだろう。
少し暗くなったかもしれないが、新宿の街には花木(ハナモク)の華やぎはあった。
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