原爆展中止
4月に開幕予定だった、目黒区美術館の特別展「原爆を視る1945―1970」が中止になった。福島第1原発の事故の影響大きいからだという。運営する芸術文化振興財団は「放射線被害を含む原爆と事故のイメージが重なる今は、鑑賞してもらう内容ではない」と判断したという。
東北関東大震災による公演やイベントなどが相次いで中止になっている。私も関わっていた神奈川芸術文化ホールの文楽公演も延期となった。他の展示なども日程など変更が出ていることは承知している。しかし、この特別展中止の理由は、放射線被害の内容を問題にした。変ではないか。
中国新聞の記事はこう伝えている。《 田中晴久館長によると、事故を受けて財団で対応を協議。財団理事でもある館長は「被爆からどう復興してきたかを知る意味でも意義は大きい」と開催を主張した。これに対し、他の理事からは「放射能汚染に敏感になっており、鑑賞に来る気になるのか」という意見が多く、この日の理事会で正式に中止を決めた。》
鑑賞に来る気になるかと問う理事の姿勢が変だ。むしろ、こんな時だからこそ放射線被害というものの実態を正確に知ったほうがいいし、そういうもの本質を見に来る人も多いはずだ。放射線の正確な知識を広く知らせるという責務がミュージアム側にあるはずだ。この美術館のある区域には、「めぐろ平和の鐘」と「被爆二世のカキ」がある。元来、放射線被害に対して目黒は敏感だったはずだ。
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