石原発言
「津波をうまく利用して『我欲』を洗い落とす必要がある」「これはやっぱり天罰」などと石原都知事が発言した。
前後に修辞があったとしても、絶対に言ってはならない言葉を、この作家出身の知事は発した。
午後7時のニュースで、津波と原発の両方から襲われている南相馬市の市長が、この理不尽な実態に対して苦衷を訴えるとともに、国、県、電力会社に対して強い抗議を表している。当然だ。現地はまだまだ先が見えないうちから、こんな「発言」が公の場で語ることのセンスを疑う。
と思っていたら、8時になって日本テレビでバラエティ番組が始まった。さんまの司会である。
いったいどういうつもりで、これを流しているのだろうか。日テレの編成担当に聞いてみたい。いくら、娯楽が消えたままだからといってこういうお笑いを放送していいのだろうか。何も危機は終わっていない。被災者は着の身着のままで苦しんでいる。
現地では赤子に飲ませるミルクなく、哺乳瓶がなく、おむつがないと訴えている状況があるにもかかわらず、一部の娯楽を求める層をあてにして番組を編成するセンス。
若い世代は、こういう番組が流れるなら、災害はもはや終結したと誤解もするのではないか。
とにかく、画面でへらへら笑っているのが引っかかってならない。
流すべき内容がなくなって(そんなことはないと思うが)、キープしていたものをオンエアーするぐらいなら、画面を止めたらいい。そうすれば、送出電力も節約でき、受信のテレビの電力も減るだろうから。