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定年再出発  

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普通に生きて、死んでゆく

中庸に生きる

 亡父がよく言っていた。なんでも中庸が大事だ、行き過ぎてはいけない。すべてほどほどにと。
それを聞かされて、20代の私は反発した。
もっと自分の意見をはっきり弁じて、自己を主張するべきだ。内心は違うくせに、表向きは対手に合わせて破綻のないように繕うなんてフェアじゃない。卑怯者だと思っていた。すべて微温的にやり過ごそうとする、事なかれ主義の「奴隷根性」だと難詰した。

50を過ぎてからは、親父の言うことも一理あるかなと思うようになった。論理として正しいということがどれだけ妥当性があるかは、実人生をみれば分かってくる。現実はきわめて曖昧に処断されることも知るようになる。親父が死んで5年も経った頃だ。私はいつも遅れて理解する。

 大阪まで出向いたので、昔の仲間Oさんを訪ねた。57歳の第1次定年をむかえたというから、私より5歳ほど年少か。穏やかで沈着なOさんは、私と対照的な人生を送ってきた。けっして自分を主張せず、大勢には逆らわず、流れのままに生きる、ということがOさんのモットーだろうと私は勝手に想像していた。傍で見ていて歯がゆいと思うことはあったが、その生き方を否定したいとは思わなかった。どこか、生き方に威厳を感じていたからだ。今から考えると、彼の生き方は、まさに親父の言う「中庸を生きる」であった。

 梅田の曽根崎通りの居酒屋で、土手焼きとおでんと鰯の煮付けを肴に飲んだ。近況を聞くと、クリント・イーストウッドの映画に惹かれて、それを見ることが楽しみだと語る。有線放送に加入するようになって日本映画チャンネルを見ていると、なかなかいい映画に出会うのですよと呟く。カウンターに坐って、Oさんの肩先だけを眺めながら熱燗の杯を重ねた。一人暮らしの身の上だからさびしいのではないかと、半畳を入れようかとも思ったが止めた。その呟きの穏やかさ、平静さがあまりに堂に入っていたからだ。

 そのOさんが、最近ときどきこらえ性がなくなって、本音を言ってしまうことがあるのですよと照れくさそうに語る。どういうことって聞き返すと、年のせいだと思うが、怒鳴ることもあるのですよ。言ってしまったあとに、自分でも驚くのです、と言う。
 少し嬉しくなった。家人から、あなたはいつも自分勝手で、自己主張ばかりして怒鳴っている。少し直したほうがいいのではないかと批判されている私にとって、Oさんの老人性短気は、歓迎するところだ。穏やかなOさんでもそういうことがあるのだ。

 老年期に脚を踏み入れたOさんは、少し短気になりながら、それでも自分のペースを大きく崩すこともなく、しっかり自分の人生を最後まで否定せずに歩いていくだろう。どれほど才能があるかということを周りに誇示することもなく、野の草の花のように生きていくのだろう。そういう人生も悪くはないのじゃないかと思う。

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by yamato-y | 2011-02-19 17:08 | Comments(0)
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