ここはじっくり耐えて
六十代というのは、老化の入り口だということは覚悟していたが、これほどフェイタルなものだとは思っていなかった。
肩が上がらない、目がかすむ、尿の出が悪い、血圧や血糖の値が悪化する、という「比較悪化」ぐらいと考えていたが、そうではない。
思いがけないところから、病の素が飛び出して来るのだ。
永田洋子が獄死した。65歳だ、同じ世代といえる。死因は多臓器不全とあるが、いったいどんな病が彼女を襲ったのだろう。
吉本興業の島木譲二(64)も体調不良で休業すると、ネットのニュースに出ている。なんだか、みな同じ年頃であることが気になるところだ。
この週末は、図書館以外どこへも外出せず、家で本と漫画を読む。こうの史代と谷口ジローの漫画にいたく惹かれる。
思いがけず読み始めた『大丈夫な日本』(文春新書、福田和也)に、目を洗われる思いがしている。前からなかなか理解できなかった「ハイデガー問題」の在りどころというのを少し分かった気がする。
今から、資料の整理をする。新年度からの美術番組のための企画案をノートするのだ。
今、気になっているのがプッサンとマックス・エルンストだ。エルンストは昔近代美術館で行われた大回顧展に出向いて、作品をじかに見たことがある。先年、ベネツィアのグッゲンハイム美術館でも作品を目にして感銘していた。その感動を呼び覚まして、じっくり画集を読むことにする。
明日の夜は、社の若い人たちが私を囲む会を開いてくれる。第2次定年をむかえたという節目だからだ。この12年ほどを回顧して、自分なりの番組論、人生観をちょっと固めておこう。
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