映画を見ながら読書もしつつ
週末に2本の映画を見た。エリック・ロメールの「恋の秋」とドナルド・サザーランド主演の「赤い影」だ。前者は、ロメール四季4部作のひとつ。中年の女の恋を描いた作品。フランス女性の自己主張の強さに驚いたとつぶやくと、そっくり日本の男の裏返しだよと娘から厳しく批判される。我がままで自分勝手な女たちという見方そのものが、これまでの日本の男たちがやってきたことではないかという真っ当な議論。反論もできず泣き寝入り。
とはいえ、ロメールの対話の面白さには畏れ入る。男と女の機微みたいなことを日常の会話でさらりと深く描出するのだから。
しかし、冬ソナのユン監督がこの4部作から影響をうけたことがありありと分かった。
夕方になって、レンタルしてきた「赤い影」を見る。こちらは、作品の内容よりも舞台となったベネツィアの街路を見たくて借りた。
ジュリー・クリスティは美しく、その妖艶な肢体、表情にうっとりするが、なにより雨期のベネツィアの袋小路、闇小路にどんどん引き込まれて行った。この作品は最近ビデオ化されたもので、長く幻となっていた作品だと知って、感銘はより深まった。
久しぶりに目黒図書館で9冊借りた。
永井龍男「秋」、太宰治「津軽通信」、「新約聖書の誕生」、「ユダヤ教の本」、「ダ・ヴィンチの暗号を解読する」、青地保子「サラディンの日」、中野孝次「閑のある生き方」「我らが生けるけふの日」、鈴木真砂女「お稲荷さんの路地」、「ブーバーを学ぶ人のために」。借り出し期限は今月の末まで。
鈴木真砂女の著を手にとったのは、なかに備後の俳人木下夕爾のことが書かれてあったからだ。広島時代、この人物の番組を作ったことを思い出した。
家々や菜の花色の灯をともし
久保田万太郎門下のいい俳人だった。本職は薬剤師であり児童詩人。疎開時の井伏鱒二のよき釣り友でもあった。今度、この人についてきちんと書いてみよう。
ユダヤ、キリスト教関係が多いのは、来月撮影を予定しているローマのバチカンに関する情報を得ておくため。
永井龍男の「一個」を読みながら、ロメールの世界とまったく真逆の日本的な関係性ということに惹かれていく。
合間を縫って、教育テレビの「短歌フォーラム」を視聴する。全国から寄せられた短歌を披露されるのを見ていて、母の短歌作りを思い出した。
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