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中国人留学生

中国人留学生

土曜日、雨がはげしくなった午後、小平の武蔵野美大のキャンパスに出かけた。途中、たかの台の古書店で美術書を探した。ルネサンス、とりわけミケランジェロのことを書いた書を追ったがそれらしいものはなく、行きがかりで渡辺二郎の『芸術の哲学』(放送大学振興会)を買った。すっかり遅くなったので、あわてて玉川上水の土手を駆けた。

魂消たことに、大学へ行くと嵐の土曜日というせいか学生はひとり。真面目な中国人留学生のRさんだけがいた。二人だけの授業となった。熱心で賢明な彼女なら話しがいがある。私は用意してきた2本の原爆ドキュメンタリーの作品を提示しながら、戦争を映像で表現することの意味を二人で考えることにした。
1本は「夏服の少女たち」、1987年の作品だ。広島県立高女1年生の生徒たちの殉難を、実写とアニメで描いた作品。建物疎開に動員されていて被爆する13歳の少女たちの「青春」をみずみずしくアニメで表した秀作だ。以前、この作品を見て感銘を受け、私も「広島に一番電車が走った日」というアニメドキュメンタリーを制作するきっかけになった作品だ。犠牲となった少女たちの青春をアニメ化し、その親たちの年老いた現在を実写で描いている。
音楽教師だった父が亡くなった娘を偲んで「娘愛し」という曲を作っていて、それを演奏して歌う哀切なシーンがある。ベレー帽をかぶりハイカラな父はいかにも人の良さそうな人物だ。父は、80歳の高齢にもかかわらずピアノに向かって、娘愛しいと歌い上げる。昔、その場面を見ていて思わず感極まったことがある。戦争という不条理なものと真正面から向き合う大切なシークエンスだ。カメラは自宅の居間でピアノを弾く父を屋外から追って、最後に譜面に書かれた「娘愛し」という題名にフィックスする。その映像にナレーションがかぶさる・・・。
父は原爆当時中国戦線に行っていて、少女の死は戦後知ることになったと。

ぎくりとした。そっとRさんをうかがうが、彼女は熱心に画面を見つめている。以前、なにげなく聞き過ごした語りのコメント。だが、今回は私の耳朶に大きく響いた。父は中国戦線に行っていたということは、出征してかの地を侵略した兵士だったということではないか。日本人同士の間なら、そこで立ち止まるということはないだろうが、中国人にとっては聞き捨てならないはずだ。どれほど、女学生たちの悲劇が大きくても、その論理は日本国内のものでしかない。他者が原爆を投下したアメリカならともかく、蹂躙した中国という他者からは厳しいまなざしが注がれても仕方がない。

あらためて、私らの作ってきた原爆ドキュメンタリーというものは、日本国内だけを対象にしたもので、世界に向かって普遍だという視座には立っていないのだと思い知る。日本は世界で唯一の被爆国でという論理の破綻――。

「夏服の少女たち」を見終わったあと、Rさんに感想を聞いた。「よかったです。特に犠牲になった少女たちを実写でなくアニメにしたのがよかった。再現ドラマだと嘘くさくなるけど、アニメは生身の人たちが出てこないから、余計に魂を感じます」。映像理解が深いだけでなく、日本のアニメや漫画が好きだというRさんらしい答えだ。私が気になったナレーションについて尋ねると、そういうことに思いは及ばず、アニメのもつ可愛らしさやユーモアのほうに関心が向いたと語った。私が考えすぎたのだろうか。それとも、原爆の被害というのは、他の比較にならないほど苛烈、非人道な出来事ということになるのだろうか。

2本目は1967年のフィルムのドキュメンタリー「軒先の閃光」。現在、平和公園となっている爆心地には、戦前広島一の繁華街があった。そこにどんな暮らしがあったのか、当時の地番を復元していく作業を追った内容。番組後半、現在の慰霊碑あたりにあった商店の名前が次々に出てくる。あるカットで、私とRさんはあっと声をあげた。私の姓と同じ名前があったのだ。私の姓は普段でも目にすることはほとんどない珍しいものだ。北陸の一部にしかない名前と認識していたから、戦前の広島にあったことを知って驚いた。これまでも広島、長崎の原爆情報については精通しているという自信があったのだが、まさか爆心地に自分と同じ姓名を見つけるとは思いもよらない。

なぜ、テレビは戦争を取り上げるのか。原爆をドキュメンタリーとして描く意味は何か。記憶のためか、2度と同じ過ちを侵さないためか、それとも現在の矛盾から目を逸らせるためか。私とRさんは夕方近くまで、このテーマについて意見を交換し続けた。


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by yamato-y | 2010-10-10 20:07 | Comments(0)
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