そして、翌日となり
無事、放送が流れた。番組が終わってすぐ、両家元にはお礼の電話をした。
ほっとした。張り詰めていたものがばさりと落ちた。なんだか、深い疲労感のようなものがあふれ出た。
8時から9時29分まで、オフィスの大画面で視聴しながら、いろいろなことが去来した。
ともに見ていてくれた同僚といっしょに、10時過ぎ新宿へ行った。小さな祝杯をあげにゴールデン街とんぼに行った。まっかりで乾杯。ディレクターのF君は体に異変が出たと聞き、少し心配になる。
半年追いかけてきたことが形になったことで安堵している。とにかくデリケートな主題なので、画の組み立てやナレーションなど表現に相当気配りをした。けっして、ゾンザイな月並みな表現は避けたいと考えた。きっちりと大人の表現をしたかったのだ。
今回、何度も「隅田川」を聴いた。あらためて、古典の言葉の美しさにも目を開かれた。
「聞くより心乱れ髪 櫛けずるらん青柳の愛しわが子を尋ねわび千里行くも親心」
「わが子の姿と見えたるは 塚に添うたるさし柳 すいと塒を立つ白鷺の残す雫か露か涙か」
今も、延寿太夫の声と梅吉の三味線が、耳朶から離れない。
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