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穏やかな日差しが

集中講義を終えて

昨夜、戻って、編集の最終チェックに立ち会った。古典芸能の独特の言葉遣いなども、関係者に見てもらって、丁寧に89分の番組は仕上げられた。ディレクターはよくやった。東京と京都を往復しながら、なんとか編集を乗り切ることが出来た。
この週末には敦賀へ戻って、久しぶりに実家の空気の入れ替えでもしたいと願っていたのだが、やはり本番放送を控えた番組の編集作業を優先することにしたのだ。

朝6時。ベランダに秋の陽が差し込んでいる。穏やかで静かで、鳩の羽ばたきすら聞こえてくる。
メールをチェックすると、訃報がいくつかあった。直接知っている人たちではないが、業界関係者だ。年齢は60前後ばかり。同世代が駆け足で去っていくのだ。こんな長命の時代なのに、早い人は早い。だが、休日の朝に鳥の囀りを聞いてぼんやり来し方を思ってみると、人生の終わりなんて自分で決められるわけでなしと、呟いてもみたくなる。

 学生たちと混じって映像のことを話し合うということは、どれほど元気をもらえるものか。京都からの帰りの新幹線のなかで、彼らが書いたリポート「この講義を聴いて」を読みながら、高まるものを抑えることができなかった。

 今回の授業のテーマは、映像は戦争、原爆をどう描いてきたかである。7本のドキュメンタリーをまるごと視聴し、5本ほどを部分見して、映像のもつ特性、限界などを考えた。
「農民兵士の声が聞こえる」という80年代の番組を見て、こんな感想をある女子学生はもった。
《その番組の構成、描写、BGMにも注目してみました。その番組で何が伝わるか、何が伝わらないかをぼんやりではありますが感じることが出来たような気がします。農民兵士のドキュメントでは女性の目線が一切省かれていたり、という風に。》

 ある男子学生は、戦争のドキュメントには原爆を扱ったものが圧倒的に多いことにこんな疑念をもらしている。
《全国各地で空襲の被害はあり、それらの被害はテレビでほとんど取り上げられないように思う。たしかに広島、長崎に比べれば被害は少ないかもしれないが、なぜそうした被害をとりあげようとしないのか。どうも広島・長崎が特権化されているのではないかと思う。》

映像表現で、ヤラセと演出のハザマについて考察する人もいた。
《映像は作る際に、必ず作者の意図やメッセージがあるはずだ。それを作るために工夫をこらすわけだが、時としてそれはヤラセになってしまうこともある。しかし、どこからがヤラセであって、非難されるべきであるかは、判断が非常に難しい。・・・この問題は、これからも番組製作につきまとうであろう。だが、作り手側はヤラセというレッテルを恐れてはいけないと思う。番組制作に意図が必ず介在する以上、ある程度は開き直るしかないのかもしれない》プロとしても傾聴したい言葉だ。

1970年代から現代までの40年間ほどに制作された番組群。そのなかで、若い学生たちを捉えたのは、72年放送のフィルムドキュメンタリー「耳鳴り」であった。広島の被爆歌人正田篠枝の余命1年と宣告された、最晩年の日常を記録した静かなヒューマンドキュメンタリーだ。30分のフィルム構成である。
《すごく激しいシーンやショッキングな映像があるわけでもない。にもかかわらず私にとってはすごく衝撃的なものであった。例えば、化粧のシーン。何歳になっても女性という生き物は「女」である。化粧のシーンによって、主人公の女性の「女」の部分を感じ、そしてそこから彼女の「生命力」つまり「生きたい」という気持ちを感じた。》被爆者のもつ人間性を通して、原爆のもつ「反人間性」を学生はしっかり把握した。

この人は最後にこんなことも書いてくれた。《私は戦争というものについてあまりにも知らないと思う。まずは自分の国が起こした戦争について知ろうと思う。》

この学生たちの親も、私と同じように戦争を知らない世代である。でも、戦争の記憶というバトンを受け継いでいこうとする意志を、学生たちは持っていた。
《親も戦争体験者でない私たち世代にあって、後の世代に、もっと具体的には将来の自分の子供に対して、どのように戦争・原爆について伝えていくか、考えていこうと思った。いいかげんな伝わり方を防ぐためにも、生の声を現時点でストックしておくべきだし、ひとつの価値観によりかからずいようと思った。》

こんな声がリポートのなかからいくつも見出すことができた。教える側としては最高の評価をいただいた気になった。

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by yamato-y | 2010-09-18 09:22 | Comments(0)
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