早い死
アニメ監督の今敏氏が46歳で死去した。報道によるとすい臓がんだという。
今朝のネットニュースで知って驚いた。
3年前に、日本のSF50年の番組を制作したとき、初期のSF作家たちの生き方を、後発世代はどう見るかという論議に、CMプランナー・澤本嘉光、少女漫画家の折原みとといっしょに、今氏にも参加してもらったことがある。司会は作家の小山薫堂と女優の栗山千明。日本SF作家クラブゆかりの中華料理店、新宿山珍居で行われた。
会場に現れた今氏は武蔵野美大出身のアーチストというオーラを振りまいていた。泥鰌髭と長い髪を編んだ風体は、まさに東洋の怪人。ただ怪異な外観と違って、やさしい声で静かな話しぶりの紳士だったことが意外だった。今氏は日本のSF作家第一世代たちを高く評価していた。
その番組を作った折に、今氏の作品のいくつかを視聴したが、宮崎アニメと違って、大人向けの少しエロいニュアンスが新鮮に思えた。これからも、こういうコケテッィシュなアニメをたくさん作っていくだろう、そうすれば日本のアニメ界も違った局面が出てくるにちがいないと、おおいに期待した。
そして、この春から私がムサビに行くようになったら、そこの学科に客員教授としていることを知った。時間帯が合わなかったせいか、再会することはなかったが、そのうちに会えるだろうと思っていた。
そして、本日、すい臓がんで倒れたと聞いて、春ぐらいから悪化していてたのだと推測された。おそらく、新年度になって登校することはなかったのだろう。
それにしても、この時代に46歳というのはあまりに早い死である。
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