いよいよ大本番
23日、国立劇場で行われた「芸の真髄」第4回公演「清元」のゲネプロに立ち会った。
本日、24日、午後6時から本番が行われる。
正式タイトルは「『清元』~清き流れひと元に~」。語り、清元延寿太夫、三味線、清元梅吉。
演目は、1、四季三葉草、2、隅田川、3、お祭り。1,2は清元演奏のみ。3は歌舞伎の片岡仁左衛門も加わって、演奏と舞踊の舞台となる。
ハイライトは2の隅田川。能から題材をとったものだが、今では清元の代表的な作品となっている。子を失くした班女が狂えるまま、隅田川までたどり着き、そこでわが子梅若の死を知るという悲劇。繊細にして豪放な梅吉の三味線にうち乗って、延寿太夫がどこまで飛翔するか、おおいに期待される。
23日の舞台稽古は本番さながらに羽織袴で舞台にあがって、3曲おさらいが行われた。
1の四季三葉草は、それぞれの清元社中が総出演での大演奏。50名ほどの語りと三味線がそろえば、ものすごい迫力となる。
このゲネプロで印象に残ったのは、清元延寿太夫の風格だった。半年前のおずおずとした語りはもはや完全に脱却し、堂々と語りあげる姿。さすが家元。
しかし、この快挙の裏に、清元梅吉の並々ならない深謀遠慮があることを、私は知っている。それらの思いを含みこんだドキュメンタリーを私は作り上げようと、逸る思いを抑えて、本日の晴れの舞台に臨む。
さて、清元は今から88年前に2つの派に分かれた。延寿太夫の曽祖父と梅吉の祖父の代のことである。以来、両派はそれぞれ別個に活動してきた。それがひとつになっての演奏会となる。当人たちだけでなく、周りの期待もきわめて高い。
延寿太夫は、本日、劇場に入る前に、深川の菩提寺へ出向き今夜の成功を祈願するという。その様子も撮影し、半蔵門の楽屋に入るのは、おそらく4時。閉幕の9時まで、長い本番撮影となる。
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