KEN HOUSE
台北に住むmartin-nishidaさんから「VANは青春そのもの」というコメントをいただいた。1946年生まれというから64歳の御年にしてIVYスタイルを今も保っておられるとか。嬉しい。雀百まで踊りを忘れず、と声援を贈りたく、私もそうありたい。
そういえば、同世代の村上春樹氏も高校時代の愛読書のひとつに「メンズクラブ」を挙げていたのをロングインタビューで知ってやはりとほくそ笑んだ。彼の小説のなかで、特に女性のワードローブの表現が細かく精緻な表現に驚いた。登場したときには、いよいよわれらの世代の作家が出現したと期待もした。
今でも、村上氏は自分の着る洋服は自分で購入するそうだ。着こなすために体型を維持している。趣味といわれるジョギングは健康のためでなくお洒落のためだと、私は見ている。
先週、実家へ帰って品物整理をしているときに、KEN HOUSE特製のノートが出てきた。裏表紙にはVAN JAC・とマークが入っている。VANグッズのひとつだ。
ノートを開くと、講義の内容を書き取るほかに、バーミューダショーツのプリントパターンやローファーの形などが落書きされている。その横に、「三里塚奪還」などのスローガンのアジビラが張ってあったりする。往時はまさに茫々たり。
KEN HOUSEはVAN JAC・の金沢の特約店だった。竪町の入り口にあって小さな店舗だったがすっきりしたディスプレイがよかった。店長はクルーカットのこざっぱりした身なりで薄いブルーのサングラスをかけていた。それほど会話をした覚えはないが、静かな物言いする人だった。
それから20年経って、広島に勤務していた頃偶然入った流川のメンズショップにその店長がいたことには驚いた。懐かしくなって声をかけたが、向こうは当然だが私のことなど覚えていない。ただ、金沢の店は楽しかったと答えてくれた。
取材でプリンストン大学、ダートマス大学へ行ったときは、必ずCO-OPに寄ってIVYグッズを買った。ラテン語のヴェリタスという言葉が真実を意味するなんてことは、ハーバード大学の案内で知った。それも名著『テイク・アイビー』による知識だ。ジョージ・ハミルトンが「ボーイハント」で登場したときの夏スタイルに当時憧れた。
近年ではウッディ・アレンの渋いトラッドなスタイルに感心するようになった。
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