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水筒のこと

水筒のこと

兵隊の水筒に見覚えがあると前回記したのは、私の勘違いだった。
28年前、私は長崎で番組を制作していた。長崎原爆関係の取材が続いていた。
そんな折、ある被爆者の家に行ったときだ。そこの家の主は外地にいたため原爆には遭遇せず家族が犠牲になっていた。その残された者の気持ちをうかがうために私は金比羅山の上にある家まで登った。今日のように暑い日だったと記憶する。

彼は南方戦線に出征していたので、激戦を生き抜くという体験をもっていた。そこで、敵兵の遺品を持ち帰ったといって、古びた真鋳製の水筒を見せてくれた。引っ掻き傷のようにして名前らしいアルファベットが彫りこまれていた。オーストラリア兵の遺品と推定された。主は、この水筒の持ち主の家族に返してほしいと言って、その水筒を私に託した。

突然のことで途方にくれたが、とにかく預かることにした。私は自宅の棚にその水筒を置いて、毎日眺めくらした。でこぼこと歪んだ真鋳の水筒は、なんとなく白人の若い兵士のような気がした。まだ人生も知らないにきび面の青年がジャングルのなかで倒れていて、その傍らに放り出された水筒――私はそんなふうに幻視した。

その夏、原水禁の大会が長崎で開かれ、外国からの参加者もおおぜいいた。私はオーストラリアのメディア関係者と接触した。そこで、その水筒の話をしたところ、記者は水筒を預からせてくれと言ったので、渡した。

一月後、それを記事にしたという報告が記者から入った。反応はまだないという。
 その年の終り頃だったか、記者から水筒の持ち主を突き止めることはできなかったが、戦争博物館に収めることにしたという報告を受けた。
私は再び金比羅山を登って、拾い主にその旨を伝えた。この水筒をめぐる話が、私のなかで父の「水筒」というイメージに大きく関与していたのだと、気がついた。

 この父の戦争にこだわるのは、2009年2月にエルサレムで村上春樹が語ったことに影響を受けていると思う。
《昨年私の父は90才でなくなりました。彼は元教師でたまにお坊さんとして働いていました。彼は大学院にいた時、徴兵され中国に送られました。戦後生まれの子供として、父が朝食前に長く深い祈りを仏壇の前で捧げていたのを目にしましたものです。ある時、私がどうしてお祈りをするのかたずねたところ戦争で死んだ人々のために祈っていると答えてくれました。 味方と敵、両方の死んだ人たちすべてに祈りを捧げていると父はいいました。仏壇の前で正座する彼の背中をながめると、父にまとわりつく死の影が感じられるような気がしました。 》
これほど深くはないが、私も父のまわりに死の影を感じたことがあった。そういうもののカタチとして父の遺品があったので、水筒であれ飯盒であれこだわることになった。

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敦賀遠望
by yamato-y | 2010-07-20 13:47 | Comments(0)
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