定年再出発 |
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闇から転げ出たロール
日曜日のETV特集のあるシーンが気になっている。「よみがえる戦場の記憶 ~新発見 沖縄戦600本のフィルム~」、沖縄戦を記録した米軍のフィルムをめぐっての番組でのことだ。 昭和20年、アメリカ軍は沖縄上陸したときから、プロパガンダ(宣伝)の意図をもって沖縄戦の実像を撮影していた・・。捕虜となった老夫婦、若い母親とその子たち、日本軍の秘密兵器、など。 1980年代には、このフィルムの存在は知られていて、返還というか、撮影した成果物の公開を求める沖縄1フィート運動が起きた。そして返還なって公開されることになったが、それは一部であって、さらに膨大な映像が残されていた。返還350本に対して、さらに600本あることが3年前に分かり、沖縄県公文書館が調査を行って来た。 沖縄放送局はそのフィルムの内容を明らかにするために島内で巡回の映画会を開いて、広く情報を集めた。その映像に描かれたものは何で、写された人たちの消息はどうなったかを追った。番組はその記録である。 米軍のそれは、プロパガンダフィルムだ。もとより、勝者である米軍が撮影したものは自国の利益に叶う素材を撮影しているだろうということは想像がつく。都合の悪いものは最初から撮影していないと思われた。ところが、そのフィルムのなかに、とんでもないものが紛れ込んでいた。 数十巻のフィルムのなかに、あるロールだけは他のロールと違って脈絡もなく撮影した時間場所もまったく不明の謎の「ラッシュ」があった。キャプションも資料も何もない。 その映像を再生すると、衝撃的な映像が写っていた。 戦死した日本兵の遺体に向かってアメリカ兵が短銃を発射する。明らかに日本兵は死んでいるにもかかわらず、米兵は引き金を引き続ける。弾丸をくらった死体は何度も跳ね転がる。残酷な仕打ちだ。 あるいは、死体の山から日本兵の一体をつまみあげてカメラに向かってさらしものにするショットもあった。まるでカジキマグロの大物を釣り上げたような表情で、戦果を誇示するアメリカの若い兵隊。死んでまで恥辱を受ける日本兵。その残酷な仕打ちはやりきれない。まさに戦争の非人道性を表す映像であった。 この映像は、アメリカ軍当局にとっては絶対に外部に出したくないであったろうことは想像がつく。 番組中、この映像を見た沖縄の研究者がインタビューを受けて、「こういう映像はこれまでも見たことがありません。本来撮影しないものでしょうし、撮っても残さないものです。それが何かの偶然で残ったのですね」と苦い表情。 前回の返還運動が起きたときもアメリカ側はこれらの映像の返還には応じていない。というか、その存在すらも明かしなかった。それから20年ほど時間が流れて、アーカイブスの関係者もこのフィルムの存在について知るものもいなくなったのだろう。残ったフィルムの返還の要求が起きて、事情を知らない現在の担当者は一括返還に応じた、これが実態ではないか。 20年の間に、世代が交代してこのフィルムの意味を知らない者が担当者となったため、ノーチェックでこのフィルムが転がり出て来たと推測される。 占領軍である米軍がこれまで公開に応じた映像は、ことごとく日本の軍国主義を非難し、住民を尊重するような事柄ばかりであった。孤児院を作って世話をしたり、日本人の捕虜同士の結婚を祝福したり。けっして悪辣なものではないということを強調してきた。そういう規準に合わない映像はすべて闇に葬ってきた(はずだ)。 だが、ここに奇跡のようにして、一巻きのフィルムが残された。撮影者も撮影日時も分からないから、詳細は不明となろうが、こういう事実があったということだけはしっかり記録されていたフィルム。偶然とはいえ、真実というものは思いがけない形で歴史に姿を表すということ。数十秒にしかすぎないラッシュがもたらした意味はけっして小さくない。 来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
by yamato-y
| 2010-06-29 14:27
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