異動の予感
本日は休日出勤となる。午後1時から放送センターで1時間講演することになっている。聴衆はなんとアナウンサーのデスクたちである。
全国の主要な地方局のアナウンサーデスクたち20人ほどが集まって企画会議が行われるのだが、それに先立って、私がディレクター、プロデューサー側の視点に立って企画論について話せと、K副部長から要請があった。最初は気軽に引き受けたのだが、出席者の顔ぶれを見て、顔がひきつった。なんと、現在全国の拠点放送局でばりばり仕事をしている40前後のベテランアナウンサーばかりだ。つまり、話のプロ中のプロだ。ここで、いくら番組のこととはいえ1時間も話をするというのは無謀というか無知というか。
この4、5日、その講演のための原稿作りに追われた。昨夜、やっと全体構成が出来た。今朝、それを見直してチェックしている。
講演の話がひょんなことからもう一つ起こった。昨日、1ヶ月検診で病院に行った。主治医が診察を終えたあと、「ちょっとお願いがありますが」ときりだした。一瞬ぎょっとした。何か特別な治療でも始めたいというのだろうか。不安がよぎった。
第3外科の医長であり副学長でもあるN先生は微笑しながら、12月に看護師さんたちに話をしてくれませんかと要請。大学病院の看護師さんたちの総会があるときに、患者から見た看護師の仕事ということを話してほしいというのだ。なぜ、私なのかとあっけにとられた。先生はにこにこ笑っている。「患者さんからはどんなふうに見えているのですかね、忌憚のないご意見を伺いたいのですよ」
断る理由もない。というか、1月に入院していたとき、もっとも感動したのは夜の当直で奮闘する看護師たちだった。消灯された部屋を懐中電灯片手にひとりひとり気遣う様子は、まさにナイチンゲールだと感じた。あの人たちのことをきちんと自分でも受け止めたいと思っていたから、この講演依頼は喜んで受けることにした。
病院からもどって、自席で「企画の立て方」を整理していると、まもなく人事異動が始まるという話がでた。私も異動の対象になっているようだ。といっても転勤するわけでもなく、部間異動だが。現在の部には3年前に来た。元いた番組制作の現場と少し違ったのは、番組だけでなくイベントや他のメディアの仕事もする部署だった。今年の異動で、また元の古巣に戻ることになるらしい。私にとってはそのほうが楽しい。
さて、講演まであと3時間か。なんだか緊張するな。いつも画面でみているキャスターや司会者たちの前で話をするのだ。とちったらどうするのか。
―-実は開き直った話をするつもり。題して、「come come everybody」。みんなカミカミしましょう。噛んで何が悪いのということから、話を始めようと考えている。前から気になっていたテレビ界の常識というのを話の俎上にあげてみようと、原稿を作ってみた。どんな反応があるか。講演後の質疑応答が楽しみだ。
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